離脱症状を起こさないためには、離脱症状を起こしやすい状態と
逆の状態になるようにすることです。
離脱症状を起こしやすい特徴は、
- 半減期が短いほど起こりやすい
- 効果が強いほど起こりやすい
- 量が多いほど起こりやすい
- 内服期間が長いほど起こりやすい
でした。
これと反対の状態を考えてみましょう。
つまり、
- 半減期を長くする
- 効果を弱くする
- 量が少なくする
- 内服期間を短くする
ことで、離脱症状を起こしにくくすることができるのです。
ひとつずつ、詳しくみていきましょう。
まず半減期ですが、ソラナックスの半減期は14時間程度です。
14時間というのは決して短い半減期ではありませんので、ここはあまり気にしなくてもいいでしょう。
おくすりの半減期は患者さんの努力で変える事ができませんからね。
しかし、より半減期の長い抗不安薬にして、少しでも依存形成を抑えたい、という事であれば、
ソラナックスと同程度の強さで、半減期が長いおくすりに変えるのは悪くはありません。
一般的に半減期の短いおくすりは即効性があります。
即効性があると、「効いている!」という感覚が得られやすいため、患者さんに好まれます。
しかし、それは依存形成しやすく、離脱症状を起こしやすいということでもある、ということは
覚えておく必要があります。
反対に半減期の長いおくすりは徐々に効いてくるので「効いているのかよく分からないなぁ」と
感じますが、ゆるやかな分、依存形成は起こしにくいのです。
また、効果の強さについても、効果の弱いおくすりの方が離脱症状は起きにくいため、
症状が落ち着いてきたら徐々に効果の弱いおくすりに切り替えていくことも有効です。
ソラナックスは不安を和らげる作用は中等度であるため、これもあまりシビアに考えなくてもいいかもしれませんが、
症状が良くなってきたのであればより弱い作用の抗不安薬に切り替えることは有効な方法です。
また、服薬量が多く服薬期間が長いほど、依存形成や離脱症状につながりますので、
定期的に「量を減らせないか?」と検討することも必要です。
「最短1ヶ月で依存形成は起きうる」と指摘する専門家もいますので、
少なくとも2週間に1回くらいは、減薬の検討をすべきです。
ただし、調子がまだ不十分であれば無理して減薬する必要はありません。
あくまでも、漫然と飲み続けないように気をつけるべきということです。