アンデプレが向いている人は?

抗うつ効果は弱い。
眠りを深くする効果に優れる。

このアンデプレの特徴から、睡眠に困っている方に向いているおくすりだと感じます。

ただしアンデプレの睡眠効果も非常に強いというわけではないので、
「ゆっくりと睡眠の質を改善していきたい」という方に良いのではないでしょうか。

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先ほど紹介した

他の抗うつ剤で治療中で、あと一歩改善させたい時の補助薬として
睡眠薬で充分な効果が得られない不眠に

向いており、更に「ゆっくりと治す余裕のある場合」がよいでしょう。

アンデプレは75mg-200mgで使うように添付文書に書かれていますが、
これはあくまでも「抗うつ剤」として使う場合の話です。

不眠に使う場合、人によっては25mgで充分睡眠が改善される方もいます。
反面、200mgまで上げないと改善できない方もおり、その場合は少しずつ増やしていかなければいけません。

アンデプレを使う疾患

アンデプレの添付文書には、

うつ病、うつ状態

に適応があると記載されています。

しかし、うつ病、うつ状態にアンデプレのみで挑むことはほとんどありません。
その理由は、これだけでは抗うつ効果が弱すぎるからです。

弱めの抗うつ効果と、眠りを深くする作用。
この二つの特徴を持つアンデプレが使われるのは、次のケースです。

他の抗うつ剤で治療中で、あと一歩改善させたい時の補助薬として
睡眠薬で充分な効果が得られない不眠に

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うつ病で薬物療法を検討するとき、まず使われるのはSSRI、SNRI、Nassaあたりです。

このようなおくすりを使って治療しているんだけど、もう一歩改善が欲しい時の
「補助薬」としてアンデプレを使うことがあります。

特に、「不眠」をより改善させたい、という場合などは良い適応になるでしょう。

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また、ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などで不眠治療を行っていたんだけど、
いまひとつ効果が得られない、このような場合にも睡眠薬と異なる作用機序を持つアンデプレは
良い選択肢になります。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、眠りは促すけど深部睡眠(=深い眠り)を減らしてしまうという特徴があります。

睡眠薬で眠ると、時間としては眠れているんだけど今ひとつすっきり疲れが取れないと感じる方が
いらっしゃると思いますが、これは睡眠薬が深部睡眠を減らす作用があるからです。

アンデプレはセロトニン2A受容体遮断作用により、深部睡眠を増やしてくれます。
そのため、睡眠薬で不十分な不眠に役立つケースがあります。

アンデプレの作用機序

アンデプレは、独特の構造を持ち、三環系、四環系、SSRI、SNRI、Nassaなど
いずれの抗うつ剤のグループにも属しません。

SARI(Serotonin2 Antagonist and Reuptake Inhibitor)=セロトニン2受容体拮抗薬・再取り込み阻害薬
と呼ばれることもありますが、あまり一般的には浸透していない名称です。

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しかし作用機序は他の抗うつ剤と同じで、セロトニンの再取り込みを阻害することで
セロトニンの濃度を増やし、抗うつ効果を発揮します。

分泌されたセロトニンを吸収・分解されないようにすることで、
長くセロトニンが残るようにする、ということです。

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動物実験では、セロトニンの濃度は増やすけども、
ノルアドレナリンの濃度は増やさないという結果が報告されています。

セロトニンは、気分の落ち込みや不安を改善させ、
ノルアドレナリンは、意欲や楽しむ力を改善させると言われていますので、
理論的には意欲などの改善にはあまり効果はないと考えられます。

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また、眠りを深くする作用に優れ、「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれることもあります。
(他には、四環系抗うつ剤やNassaが鎮静系抗うつ剤と呼ばれています)

これはアンデプレの「セロトニン2A受容体遮断作用」が強力であることが理由です。

他の鎮静系抗うつ剤の眠気は「抗ヒスタミン作用」が主な原因ですが、
アンデプレの抗ヒスタミン作用はそこまで強くなく、これが他の鎮静系との大きな違いです。

抗ヒスタミン作用が強いと眠気と体重増加が起こるため、
特にNassaであるリフレックス・レメロンは太ります。

アンデプレが眠気は起こすけど、体重増加が多くならないため、
眠りは深くしたいけど体重増加を起こしたくない方には良い選択肢になるでしょう。

アンデプレの特徴

アンデプレは1999年に発売されたジェネリック医薬品です。

商品名でいうとデジレル、レスリンのジェネリックで、効果効能は全く同じです。

アンデプレは「鎮静系抗うつ剤」と言われており、眠りを深くする作用に優れ、睡眠薬があまり効かない患者さんなどに重宝されることがあります。アンデプレは「抗うつ剤」ではありますが、現在では、うつの改善を目指して使うよりも睡眠を改善する目的での処方が多くなっています。

ここでは、アンデプレの効果や特徴について紹介していきます。

まずはざっくりと、アンデプレの全体的なイメージを紹介します。

抗うつ効果は弱い
眠りを深くする作用に優れる(深部睡眠を増加させる)
副作用は少ない(性機能障害が若干多め)

という点が挙げられます。

「抗うつ効果」は強いとは言えず、やや頼りないところがあります。
抗うつ効果は弱いため、うつ病の薬物療法をアンデプレのみで行う、というケースはあまりありません。

しかし、「眠りを深くする作用」には優れています。
ただ眠らせるだけではなく、深部睡眠(=深い眠り)を増やしてくれるので、
熟眠感が得られることが期待できます。

睡眠薬とは違う作用機序で眠りに導くため、睡眠薬があまり効かない不眠の方でも、
効果が見込める可能性があります。

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また、副作用も多くはありません。

眠りを深くするので、眠気やふらつきの副作用はありますが、
抗うつ剤によく認められる、口渇・便秘や体重増加などは少なめです。

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稀にですが「持続性勃起」が生じることがあり注意が必要です。

持続性勃起とは、性欲とは無関係に陰茎や陰核の勃起が続くことです。
これは陰部の血流の障害が原因で起きることが多く、痛みを伴うこともあります。

レスリンの眠気の対処法

レスリンの眠気が日常生活に支障をきたす場合は、どうすればいいのでしょうか?
対処法について考えてみましょう。

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Ⅰ.様子を見てみる

まだレスリンを飲み始めたばかりという場合は、少し様子をみてみましょう。

抗うつ剤の副作用は「慣れてくる」ことが少なくありません。
半数以上のケースで、副作用は時間が経つと軽減してきます。

何とか様子がみれる程度の眠気なのであれば、少し様子をみてみましょう。
1-2週間程度、様子をみれば身体が慣れてくることが期待できます。

ひとの身体の適応力というものは意外とあなどれないのです。

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Ⅱ.増薬スピードを緩めてみる

多くの抗うつ剤は、少量から開始し、1-2週間間隔で少しずつ量を増やしていきます。
いきなり最初から大量投与する、ということはまずしません。

それは、急に体内のセロトニン量が増えるとからだがびっくりしてしまい、
副作用が現れやすくなるからです。

眠気に関しても同じで、いきなり高用量の抗うつ剤を入れると出やすくなります。

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そのため、副作用をなるべく出さないために、
増薬のペースを緩めてみることは非常に有効です。

もちろん、ペースを緩めれば抗うつ効果が出るのも遅くなってしまうデメリットもあります。
しかし、副作用が軽くなるというメリットもあるため、副作用がつらい方は検討すべき方法です。

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レスリンの場合、添付文書には75mg~100mgで開始すると書かれていますが、
別に25mgや50mgの少量から始めても構いません。

レスリンは抗うつ効果としては弱いおくすりのため、抗うつ効果を出すには
200mgなどの量が必要になることが多いです。

しかし優れた抗うつ剤が増えてきた現在においては、抗うつ剤というよりも
睡眠補助薬として処方される方が多いのが現状です。

この場合、200mgもいらないことも多々あります。
25mgで充分なケースも少なくありません。

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副作用をなるべく出さないためには、できれば25mgなどの低用量からはじめましょう。
少量から開始し、増薬は身体がお薬に慣れてきてから少しずつしてください。

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Ⅲ.睡眠を見直す

そもそもの睡眠に問題がないかを見直すことも忘れてはいけません。

そもそも不規則な睡眠リズムだったり、十分な睡眠時間をとってないのであれば、
その眠気は副作用ではなく、レスリンを飲み始めたことで睡眠の問題が表面化したに過ぎません。

睡眠時間は十分でしょうか?
個人差はありますが、平均的にはひとは6~8時間程度は眠る必要があります。

睡眠の環境は整ってますか?
明るい場所、うるさい場所で寝ていたとしたら、眠りの質が悪くなって当然でしょう。
直前までスマホやパソコンをいじっていたら、脳が覚醒してしまい睡眠は浅くなります。

眠る前に食べ物を食べすぎたり、お酒を飲んだりしていませんか?

睡眠環境や睡眠時間に問題がないかを見直し、
問題があれば安易に薬のせいと決めつけずに問題を解決することを試みてみましょう。

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Ⅳ.併用薬に問題はないか?

併用薬によっては、レスリンの副作用を強めてしまうことがあります。

例えば薬ではありませんが、よく臨床で経験するのがアルコールとの併用です。
酒は抗うつ剤の血中濃度を不安定にし、眠気が悪化させる可能性があります。
この場合は、断酒しない限りは眠気の改善は図れません。

他にもレスリンの副作用を増強してしまう可能性のあるものとして、
インビラーゼ・ノービア・クリキシバン(エイズ治療薬)、バルビツール系睡眠薬などがあります。

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Ⅴ.肝機能・腎機能に問題はないか?

肝機能や腎機能が悪い方は、お薬の代謝・排泄の機能が落ちているため、
通常量を投与してしまうと、多すぎる場合があります。

この場合、副作用も通常より強く出現してしまいます。

血液検査や健康診断で肝機能障害、腎機能障害を指摘されている場合、
必ず主治医に伝えないといけません。

この場合、障害の程度によっては通常より投与量を少なくするなどの処置を
取る必要があります。

レスリンは、腎障害ではそこまで投与量を調整する必要はありませんが、
肝障害がある場合は、投与量の調整や必要なことがあります。

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Ⅵ.服用時間を変えてみる

飲む時間を変えてみる、という方法もあります。
レスリンは添付文書には「1日1~数回に分けて服用すること」と記載があります。

しかし、朝食後とか昼食後に飲むとまず眠くなりますから、
基本的には寝る前に投与する方がよいでしょう。

日中に内服していて、眠気に困っている場合は
服薬時間を眠前に変えると良い場合があります。

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Ⅶ.減薬・変薬をする

眠気が数週間ガマンしても改善せず、生活に支障を来たしているのであれば、
減薬や変薬も検討する必要があります。

レスリンに効果を感じているのであれば、薬を変えてしまうのはもったいなくも感じます。
この場合は、量を少し減らしてみてもいいかもしれません。

量を少し減らしてみて、病気の悪化も認めず、眠気も軽くなるようであれば成功です。
その量で維持していきましょう。

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レスリンの効果をあまり感じられず、眠気などの副作用だけが強く出てしまう場合は、
別の抗うつ剤に切り替えるのも手になります。

どのお薬に切り替えるかは、主治医とよく相談して決めるべきです。
眠気が少ない抗うつ剤だと、ドグマチールやジェイゾロフト、サインバルタ、トレドミンあたりが
候補に挙がるでしょう。

鎮静系抗うつ剤の中で他の物に変えるのであれば、
Nassaか四環系になりますが、Nassaの眠気はレスリンより強いことが多いので、
まずは四環系がいいかもしれません。

どの抗うつ剤も一長一短ありますので、眠気の副作用だけを考えるのではなく、
主治医とよく相談して決めてください。

レスリンの眠気 -他抗うつ剤との比較-

レスリンの眠気は、他の抗うつ剤と比べてどのくらいの強いのでしょうか?
各抗うつ剤の眠気の強さを比較してみましょう。
(個人差がありますので、必ず誰でもこの通りになるわけではありません。)

抗うつ剤の中で、眠気が強力なのものは「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれています。

鎮静系抗うつ剤の代表格がレメロン・リフレックスで、他の鎮静系と比べても
眠気の強さが一段階上です。

他にもテトラミドやルジオミールといった四環系抗うつ剤、
レスリン・デジレルなども鎮静系に分類され、まずまず強い眠気を引き起こします。

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鎮静系抗うつ剤の眠気は、一概に「困る副作用」と言うわけではありません。

眠気が強すぎると集中力が落ちたり、だるさが抜けなかったりと困ることもありますが、
夜の眠りを深くしてくれるため、不眠の方には役立つ作用にもなります。

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パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、ルボックス/デプロメールなどのSSRIも
眠気を起こしますが、比較的軽度な事が多いです。
SSRIの中でもジェイゾロフトは眠気が軽い印象があります。

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サインバルタやトレドミンといったSNRIも眠気は少ない傾向があります。
SSRIよりも更に少ないというイメージでしょうか。

SNRIはセロトニンだけでなくノルアドレナリンにも作用します。
ノルアドレナリンは意欲や活気を上げる「覚醒系」の物質であるため、 眠気が起きにくいのでしょう。

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三環系抗うつ剤(トフラニール、トリプタノール、ノリトレン、アナフラニール、アモキサン)は
眠気を比較的起こします。
その程度は、鎮静系と比べると軽度ですがSSRI/SNRIよりは強いというところでしょう。

三環系は昔の抗うつ剤で、SSRIやSNRIと比べると作りも荒いため、副作用が全体的に多いのです。
また、三環系の中でもトリプタノールは特に眠気が出やすいおくすりとして知られています。

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ドグマチールは眠気の程度がかなり軽い抗うつ剤です。
ドグマチールには抗ヒスタミン作用やα1受容体遮断作用がほとんどないと言われています。

レスリンの眠気はなぜ起こる?

抗うつ剤は眠くなるものが多くありますが、レスリンは特に眠気の強いおくすりとして知られています。

レスリンのような眠気が強い抗うつ剤は「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれ、時に睡眠薬として使われることもあります。

「睡眠も改善してくれる抗うつ剤」としてうまく使えれば良いのですが、眠気で日中の様々な活動に支障をきたしてしまうようであれば問題です。

眠気はほとんどの抗うつ剤に認める副作用です。

その主な原因は、

抗ヒスタミン作用
5HT2受容体遮断作用
α1受容体遮断作用

だと考えられています。

難しい言葉が並びましたが、一つずつ分かりやすく説明していきますね。

ほとんどの抗うつ剤の眠気は抗ヒスタミン作用が主な原因ですが、
レスリンの眠気は5HT2受容体遮断作用によるところが大きく、そこが他の抗うつ剤の眠気との違いです。

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Ⅰ.抗ヒスタミン作用

多くの抗うつ剤には「抗ヒスタミン作用」というはたらきがあり、
これが眠気を起こします。

抗ヒスタミン作用とは、抗うつ剤がヒスタミンのはたらきを
ブロックしてしまうことです。

ヒスタミンは覚醒作用を持つ物質なので、
ブロックされると覚醒レベルが落ち、眠くなってしまいます。

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抗うつ剤の中で、眠気が強く出るものを「鎮静系抗うつ剤」と呼びます。
これらは総じて、抗ヒスタミン作用が強いことが特徴です。

リフレックス・レメロンなどのNassa
ルジオミール、テトラミドなどの四環系抗うつ剤
デジレル、レスリン

などが鎮静系抗うつ剤に入ります。

ちなみに上述の通り、デジレル、レスリンにも抗ヒスタミン作用はありますが、
他の鎮静系と比べると、眠気への関与の割合は小さいようです。

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花粉症やアレルギー疾患で使われるお薬に「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものがあります。
(商品名:アレグラ、アレロック、タリオン、アレジオン、ザイザルなど)

「花粉症の薬を飲むと眠くなる」ということは世間に広く知られていますが、
これもヒスタミン受容体が遮断されるために起こる現象です。

「ヒスタミンをブロックすると眠くなる」ということがここからも分かると思います。

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Ⅱ.α1受容体遮断作用

更に抗うつ剤は、抗ヒスタミン作用以外にも眠気の原因となる副作用があります。
それは、α1受容体遮断作用、5HT2受容体遮断作用です。

αとはアドレナリンのことで、アドレナリン1受容体が遮断されると血圧が低下します。
血圧が下がればボーッとします。
(α1受容体遮断薬は降圧剤として使われています。エブランチル、カルデナリンなど)

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Ⅲ.5HT2受容体遮断作用

5HTとはセロトニンのことで、セロトニン受容体のうち、5HT2という受容体を遮断すると
神経興奮が抑制されます。気持ちが落ち着くという良い作用でもありますが、
興奮が抑制されれば、リラックスして眠くなってしまいます。

レスリンは特にこのセロトニン2受容体遮断作用が強いことが特徴です。

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これらのような理由でレスリンは眠気を引き起こします。
レスリンに限らず、ほとんどの抗うつ剤にはこれらの作用があり、
その程度や割合は抗うつ剤によって違います。

レスリンは5HT2受容体遮断作用が強く、
また、抗ヒスタミン作用やα1受容体遮断作用も認めるため、
他の抗うつ剤よりも眠くなりやすいと言われています。

レスリン 離脱症状と再発を混同しないこと!

抗うつ剤で離脱症状が出現すると、

「病気が再発してしまった・・・」
「私は一生薬をやめれないんだ・・・」

と落ち込んでしまう方がいます。

しかし、「離脱症状」と「病気の再発」は全くの別物です。
ここは誤解してはいけません。

離脱症状は「抗うつ剤の血中濃度が急に下がった」ために生じただけで、
別に病気が再発したわけではないのです。

離脱症状は副作用の一つであって、病気の再発ではない。

このように正しく認識し、不必要に落ち込まないようにしてくださいね。

レスリン 離脱症状の対処法

レスリンの離脱症状に遭遇するケースはほとんどないのが現状ですが、
もし生じてしまったらどうすればいいのかを考えてみましょう。

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レスリンで離脱症状が出現した場合、まず考えられるのが、
「自分で勝手に量を減らしたり、やめたりして生じた」ケースです。

この場合は原因・対処法ともに明らかです。
内服量を元に戻すしかありません。

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減薬や断薬をすると、だいたい半日から1日後に離脱症状が出現してきます。

特に高容量(200mg)からいきなり中止(0mg)すると反動が大きいため、
離脱症状は強く起こりやすくなります。

早く抗うつ剤を辞めたい気持ちは良く分かりますが、自己判断で中断せず、
必ず主治医と相談の上で減薬をしていきましょう。

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では、医師の指示のもとで減薬をしていたのに離脱症状が起こってしまったら
どうすればいいでしょうか。

ほとんどないケースだとは思いますが、対処法を紹介します。

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Ⅰ.減薬を延期する

急いで減薬しなくてもいいのであれば、少し様子をみてから、
数か月後に減薬を再挑戦してみるとうまくいくことがあります。

離脱症状は、疾患が治りきってない時に無理して減薬すると 起きやすい印象があります。

病気が治りきってないということは、まだまだ自分の体だけでセロトニンやノルアドレナリンを
出す力が不十分だということ。

この時期に無理にレスリンを減らしてしまうと反動も出やすいため、離脱症状も起きやすくなるのです。

より病気が改善して、自分が体が自力でセロトニン・ノルアドレナリンを出す力が戻ってから
減薬をすれば離脱症状は起きにくくなるでしょう。

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Ⅱ.減薬ペースを落とす

離脱症状の対処法の基本です。

ひとのからだは急激な変化に弱いという特徴があります。
なので、可能な限り緩やかに減らすことが離脱症状対策の鉄則です。

早く抗うつ剤をやめたい気持ちはとても良く分かりますが、少しずつ確実に減らしていきましょう。
その方が、結果的に早く薬をやめられます。

例えばレスリン200mgを内服していて、 150mgに減薬したときに離脱症状が出たとしましょう。
これは200→150mgの反動に身体が耐えきれなかったという事ですから、より緩やかにすればいいわけです。

一旦175mgに再増量し、数週間慣らしてから150mgに再挑戦するとうまくいくことがあります。
もしそれでも離脱症状が起こるのなら、ちょっと面倒ですが187.5mgで再挑戦です。

細かく刻めば刻むほど、反動は小さくなります。

細かく刻むと減薬に時間がかかるというデメリットもありますが、
減薬できないまま一進一退を繰り返すよりも、
地道に少しずつ減らした方が結果的には早く減薬できるものです。

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また、減薬のペースも大切です。

一般的には2週間に1度のペースで減らしていくのがいいとされてますが、
そのペースで離脱症状が出てしまう時は、1か月に1回のペースで減らしてみましょう。

これも緩やかにすればするほど、離脱症状は起きにくくなります。

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Ⅲ.本当にレスリンで起きたのかを見直す

レスリンで離脱症状を起こすことはほとんどありません。
なので、「本当にレスリンが原因なの?」と見直してみることは大切です。

例えば、近い時期に他の抗うつ剤の量も調整したのであれば、
そっちが原因なのかもしれません。

レスリンを減量した時期に、たまたま風邪を引いてしまっていて、
それで調子が悪くなっているのかもしれません。

他の可能性はないのか、を考えてみましょう。

レスリン他の抗うつ剤との離脱症状の比較

離脱症状は主にSSRI、SNRIに多く認められ、三環系抗うつ剤でも認められます。
その他の抗うつ剤ではあまり認められません。

出現する頻度は薬剤によって差がありますが、
軽度なものも含めると、 約20%の頻度で生じると言われています。

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離脱症状は、抗うつ剤の中でも「効果の強いお薬」に多くみられます。
効果の強いお薬の方が、減った時の反動が大きいためです。

また、半減期(薬の持続時間をはかる一つの指標)が短いほど、
離脱症状が起きやすいと言われています。

半減期が長いと、お薬が長く体に残るということなので、血中濃度は緩やかに変動しますが
半減期が短いと、お薬がすぐに抜けてしまうということなので、血中濃度は急激に変動します。

お薬の血中濃度が変動しやすいと、離脱症状も起きやすくなるのです。

ここで各抗うつ剤の半減期を見てみましょう。

「効果が強い」「半減期の短い」「SSRIやSNRI」。
これが離脱症状を起こしやすいお薬ということになります。

これに当てはまるのがパキシルです。
実際にパキシルの離脱症状は他のSSRI/SNRIよりも群を抜いて多く、程度も強いことが知られています。

サインバルタも効果がやや強めで半減期も長くはないため、離脱症状は少なくはありません。

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その他のSSRI(ジェイゾロフト、ルボックス/デプロメール、レクサプロ)、三環系抗うつ剤も
離脱症状は起こしますが、その頻度は多くはありません。

レスリンはというと、半減期は6-7時間と短いですが、
効果が弱く、SSRI/SNRIほどのセロトニン選択性がないため、
離脱症状はかなり少ない部類に入ります。

レスリン離脱症状が起こる仕組み

離脱症状が起こる詳細な機序は、まだ分かっていないところもありますが、
抗うつ剤の血中濃度の急な低下に身体が対応しきれず、
自律神経などのバランスが崩れて生じると考えられています。

発症には、セロトンが特に大きく関わっているようで、
セロトニンの血中濃度が急激に変動しやすいと起こりやすいようです。

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長い期間に渡って抗うつ剤の内服を続けていると、身体は抗うつ剤が入ってくることに慣れてきます。
身体は「毎日抗うつ剤は入ってくるものなんだ。」と認識し始め、
それに基づいて身体の様々な機能を調整するようになります。

そんな中、抗うつ剤を突然減らしてしまうと身体はパニック状態に陥ります。
当然のように毎日入ってくると思っていたものが、ある日突然入ってこないわけですから、
身体の機能の調整もうまくできなくなってしまいます。

その結果、様々な自律神経症状(耳鳴り、めまい、しびれ、頭痛など)が生じるのです。

私たちの身体は急激な変化に弱いため、変化させる場合はゆっくりと変えていかないといけません。

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離脱症状の起こりやすさは、

個々人の身体の代謝能力
抗うつ剤の半減期(半減期が短いほど起こしやすい)
抗うつ剤の強さ(強いほど起こしやすい)

などが関係すると言われています。

レスリンの離脱症状とは?

離脱症状」は、抗うつ剤を減らした時に生じる様々な症状の総称です。

「離脱」という言葉は、依存や中毒でよく使われますので
「離脱症状は抗うつ剤への依存が原因で起こる」としばしば誤解されますが、それは間違いです。

離脱症状は、抗うつ剤を減らしたりやめたりすることで血中濃度が急激に変動し、
それに身体が対応しきれないために起こります。

依存や中毒の症状ではなく、血中濃度の急な変化で生じる「副作用」なのです。

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患者さんの間では離脱症状は「シャンビリ」とも呼ばれています。
これは耳鳴りが「シャンシャン」鳴り、 手足が「ビリビリ」痺れることからつけられているようです。

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離脱症状で生じることの多い症状には、

耳鳴り
しびれ(電気が走るような感じ)
めまい
発汗
吐き気
震え
ソワソワ感

など多岐にわたります。


また離脱症状は、

SSRI(パキシル、ジェイゾロフト、ルボックス/デプロメール、レクサプロなど)
SNRI(トレドミン、サインバルタなど)

で認められる事が多く、

三環系抗うつ剤(トフラニール、アナフラニール、トリプタノール、ノリトレン、アモキサンなど)

でも、たまに認めます。
その他の抗うつ剤ではあまり認めません。

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ちなみに「離脱症状」という用語は医学用語ではありません。
医学的には「中断症候群」「SSRI中断症候群」と呼びます。

これは先ほど書いたように「離脱」という言葉から、一般の方は「依存」「中毒」などを
イメージしやすいため、そういった誤解をさせないための配慮のようです。

なので、正確に言えば「SSRI中断症候群は・・・」と書くべきなのですが、
「離脱症状」という呼び名の方が圧倒的に認知度があるのが現状ですので、
ここでは分かりやすさを重視して、「離脱症状」で説明させて頂きます。

レスリンの離脱症状

抗うつ剤は急に減量・中止すると、耳鳴り、しびれ、めまいやふらつきなどが出現することがあります。

これはおくすりの血中濃度が急に下がったため生じる症状で「離脱症状」と呼ばれています。

抗うつ剤はすべて離脱症状を起こす可能性がありますが、起こしやすさは薬によって違います。

レスリンは、離脱症状をほとんど起こさないおくすりです。絶対に起こさないわけではありませんが、よほど無茶な減薬をしない限りは「まず起こさない」と考えていいでしょう。

レスリンは、離脱症状をほとんど起こしません。

その理由は、

SSRIやSNRIほど、選択的にセロトニンに作用しないこと
効果が弱いこと

です。

離脱症状を起こしやすい抗うつ剤の特徴は後述しますが、
発症にはセロトニンが関与しているため、
セロトニンに集中的に作用するSSRIやSNRIで多く認められます。

レスリンはセロトニンには作用するものの、その程度は強くないため
離脱症状が少ないのです。

また、レスリンの抗うつ効果が弱い点も離脱症状を起こしにくい理由です。
効果が弱いおくすりは中止した時の反動も小さいため、離脱症状を起こす頻度は少なくなります。

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このように、レスリンで離脱症状を起こすことはほとんどありません。

医師の指示を守らずに乱用していたり、いきなり高用量から中断したりするなどの
無茶をしていなければ、まず起こさないと考えてもいいでしょう。

レスリンで太った時の対処法

レスリンを内服していて、体重が増えてしまったらどうすればいいでしょうか。
対処法を考えてみましょう。

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1.生活習慣を見直す

太ってしまったときに一番大切なこと、それは生活習慣を見直すことです。
おくすりが原因だとしても、この大原則は変わりません。

規則正しい生活、適度な運動などの生活改善を行えば、
たとえ抗うつ剤を内服していたとしても体重は落ちやすくなります。

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抗うつ剤を飲むと、体重が「落ちなくなる」のではありません。「落ちにくくなる」だけです。
不要なカロリーを制限したり、身体の代謝を上げたりして、
体重が増える要素よりも体重が落ちる要素が上回れば必ず体重は落ちていきいます。

毎日三食、規則正しく食べていますか?
量やバランスは適正でしょうか?
間食や夜食などをしていませんか?

適度な運動はしていますか?

散歩などの運動でも脂肪燃焼には効果があります。
余裕があればジョギングやサイクリングなど
強度の高いものにトライすれば代謝は更に改善されます。

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2.抗うつ剤の量を減らしてみる

もし精神状態が安定しているのであれば、 減薬を考えてみるのも方法です。
主治医と相談してみましょう。

体重増加で困っているのであれば、必ず主治医に相談しましょう。
もしかしたら主治医は、あなたの体重増加をあなたほど重くは捉えていないかもしれません。

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というのも、体重が増えて困るかどうかは人それぞれだからです。

ガリガリに痩せた男性であればちょっと体重が増えても全然困らないでしょう。
でも、スタイルに気を使っている若い女性にとって、体重が増えることは大きな恐怖です。

体重増加に対して主治医とあなたとの間に認識のギャップがある恐れがあります。
特に年配の先生だったりすると、若い子の感性とはどうしても異なってしまうため、
何で困るのかは意外と分からないものです。

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ただし、病状によっては薬の量を減らせないこともあります。
主治医と相談した上で、お薬を減らせないという結論になった場合は、勝手に減らしてはいけません。
必ず主治医の判断に従ってください。

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3.別の抗うつ剤に変えてみる

別の抗うつ剤に変えてみるという手もあります。

といってもレスリン自体が体重増加が多い抗うつ剤ではないため、難しいところです。

リフレックス・レメロンなどのNassaやテトラミド、ルジオミールなどの四環系は
同じ「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれる抗うつ剤ですが、
一般的にレスリンよりも体重増加は起きやすいと考えられています。

SNRIであるサインバルタ、トレドミンや、SSRIのジェイゾロフトあたりは試してもいいかもしれません。

ただし、レスリンとはプロフィールが大分違う抗うつ剤なので、
体重増加の視点だけで考えるのではなく、総合的に判断することが大切です。

主治医とよく相談して決めてください。

レスリン 本当に抗うつ剤の副作用で太ったのか?

「抗うつ剤で太る」ということは、最近では多くの患者さんが理解するようになってきました。
そのためか、太ってきたらすぐに「くすりのせい」と決めつけてしまうケースもしばしば見られます。

太ってきた時、抗うつ剤のせいと安易に決めつけてはいけません。
本当に抗うつ剤のせいなのかをしっかり見極めて下さい。

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例えば、一日中部屋に閉じこもりっぱなしだったとしたら太るのは当然でしょう。
ストレスでやけ食いしているのでしたら、原因は抗うつ剤ではなく過食なのかもしれません。

精神疾患の場合、このような症状が体重増加の原因ということもありうるのです。

果たして本当に抗うつ剤のせいなのか?
他の原因は考えられないのか?

安易に決めつけず、一度見直す必要があります。

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もし、本当は運動不足や過食が原因なのに、「抗うつ剤のせいで太った!」と決めつけて
内服をやめてしまったらどうなるでしょうか?

落ち込みや無気力、過食などが更に悪化する可能性があります。
これでは、より太ってしまうかもしれません。

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「抗うつ剤以外に太るような原因はないのか?」
主治医や周囲の人(家族、友人など)とも相談し、しっかりと見極めてください。