アンデプレの導入例

アンデプレは75mg-100mgから開始するよう添付文書に書かれており、
また1日1~数回に分割して投与するように書かれています。

うつ病治療の主剤として使うのであれば、75-100mgで開始してもよいのでしょうが、
現在では抗うつ剤というよりは、「眠りの質を改善するため」に使うため、
25-50mgなどの少量から開始する方が良いでしょう。

効果を見ながら、必要に応じて25-50mgずつ増量していきます。
また、飲むと眠気が起こるため、1日1回眠前に内服することがほとんどです。

半減期(≒くすりが効く長さ)が6-7時間のため、血中濃度を1日中安定させるためには
1日3-4回に分けて内服するのが理想ですが、それだと1日中眠くなってしまいます。

夜の睡眠にだけ効いて欲しい場合には、眠前1回投与で大きな問題はないでしょう。

アンデプレが向いている人は?

抗うつ効果は弱い。
眠りを深くする効果に優れる。

このアンデプレの特徴から、睡眠に困っている方に向いているおくすりだと感じます。

ただしアンデプレの睡眠効果も非常に強いというわけではないので、
「ゆっくりと睡眠の質を改善していきたい」という方に良いのではないでしょうか。

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先ほど紹介した

他の抗うつ剤で治療中で、あと一歩改善させたい時の補助薬として
睡眠薬で充分な効果が得られない不眠に

向いており、更に「ゆっくりと治す余裕のある場合」がよいでしょう。

アンデプレは75mg-200mgで使うように添付文書に書かれていますが、
これはあくまでも「抗うつ剤」として使う場合の話です。

不眠に使う場合、人によっては25mgで充分睡眠が改善される方もいます。
反面、200mgまで上げないと改善できない方もおり、その場合は少しずつ増やしていかなければいけません。

アンデプレを使う疾患

アンデプレの添付文書には、

うつ病、うつ状態

に適応があると記載されています。

しかし、うつ病、うつ状態にアンデプレのみで挑むことはほとんどありません。
その理由は、これだけでは抗うつ効果が弱すぎるからです。

弱めの抗うつ効果と、眠りを深くする作用。
この二つの特徴を持つアンデプレが使われるのは、次のケースです。

他の抗うつ剤で治療中で、あと一歩改善させたい時の補助薬として
睡眠薬で充分な効果が得られない不眠に

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うつ病で薬物療法を検討するとき、まず使われるのはSSRI、SNRI、Nassaあたりです。

このようなおくすりを使って治療しているんだけど、もう一歩改善が欲しい時の
「補助薬」としてアンデプレを使うことがあります。

特に、「不眠」をより改善させたい、という場合などは良い適応になるでしょう。

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また、ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などで不眠治療を行っていたんだけど、
いまひとつ効果が得られない、このような場合にも睡眠薬と異なる作用機序を持つアンデプレは
良い選択肢になります。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、眠りは促すけど深部睡眠(=深い眠り)を減らしてしまうという特徴があります。

睡眠薬で眠ると、時間としては眠れているんだけど今ひとつすっきり疲れが取れないと感じる方が
いらっしゃると思いますが、これは睡眠薬が深部睡眠を減らす作用があるからです。

アンデプレはセロトニン2A受容体遮断作用により、深部睡眠を増やしてくれます。
そのため、睡眠薬で不十分な不眠に役立つケースがあります。

アンデプレの作用機序

アンデプレは、独特の構造を持ち、三環系、四環系、SSRI、SNRI、Nassaなど
いずれの抗うつ剤のグループにも属しません。

SARI(Serotonin2 Antagonist and Reuptake Inhibitor)=セロトニン2受容体拮抗薬・再取り込み阻害薬
と呼ばれることもありますが、あまり一般的には浸透していない名称です。

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しかし作用機序は他の抗うつ剤と同じで、セロトニンの再取り込みを阻害することで
セロトニンの濃度を増やし、抗うつ効果を発揮します。

分泌されたセロトニンを吸収・分解されないようにすることで、
長くセロトニンが残るようにする、ということです。

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動物実験では、セロトニンの濃度は増やすけども、
ノルアドレナリンの濃度は増やさないという結果が報告されています。

セロトニンは、気分の落ち込みや不安を改善させ、
ノルアドレナリンは、意欲や楽しむ力を改善させると言われていますので、
理論的には意欲などの改善にはあまり効果はないと考えられます。

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また、眠りを深くする作用に優れ、「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれることもあります。
(他には、四環系抗うつ剤やNassaが鎮静系抗うつ剤と呼ばれています)

これはアンデプレの「セロトニン2A受容体遮断作用」が強力であることが理由です。

他の鎮静系抗うつ剤の眠気は「抗ヒスタミン作用」が主な原因ですが、
アンデプレの抗ヒスタミン作用はそこまで強くなく、これが他の鎮静系との大きな違いです。

抗ヒスタミン作用が強いと眠気と体重増加が起こるため、
特にNassaであるリフレックス・レメロンは太ります。

アンデプレが眠気は起こすけど、体重増加が多くならないため、
眠りは深くしたいけど体重増加を起こしたくない方には良い選択肢になるでしょう。

アンデプレの特徴

アンデプレは1999年に発売されたジェネリック医薬品です。

商品名でいうとデジレル、レスリンのジェネリックで、効果効能は全く同じです。

アンデプレは「鎮静系抗うつ剤」と言われており、眠りを深くする作用に優れ、睡眠薬があまり効かない患者さんなどに重宝されることがあります。アンデプレは「抗うつ剤」ではありますが、現在では、うつの改善を目指して使うよりも睡眠を改善する目的での処方が多くなっています。

ここでは、アンデプレの効果や特徴について紹介していきます。

まずはざっくりと、アンデプレの全体的なイメージを紹介します。

抗うつ効果は弱い
眠りを深くする作用に優れる(深部睡眠を増加させる)
副作用は少ない(性機能障害が若干多め)

という点が挙げられます。

「抗うつ効果」は強いとは言えず、やや頼りないところがあります。
抗うつ効果は弱いため、うつ病の薬物療法をアンデプレのみで行う、というケースはあまりありません。

しかし、「眠りを深くする作用」には優れています。
ただ眠らせるだけではなく、深部睡眠(=深い眠り)を増やしてくれるので、
熟眠感が得られることが期待できます。

睡眠薬とは違う作用機序で眠りに導くため、睡眠薬があまり効かない不眠の方でも、
効果が見込める可能性があります。

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また、副作用も多くはありません。

眠りを深くするので、眠気やふらつきの副作用はありますが、
抗うつ剤によく認められる、口渇・便秘や体重増加などは少なめです。

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稀にですが「持続性勃起」が生じることがあり注意が必要です。

持続性勃起とは、性欲とは無関係に陰茎や陰核の勃起が続くことです。
これは陰部の血流の障害が原因で起きることが多く、痛みを伴うこともあります。

デジレル 半減期とは?

半減期というのは「お薬の血中濃度が半分になるまでに要する時間」のことです。

薬の本には、全ての薬の半減期が記載されており、私たち医師も薬を処方する際は、
「半減期がどれくらいのお薬なのか」ということを必ず意識します。

半減期が分かれば、そのおくすりの様々な特徴が見えてくるからです。

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具体的に言うと、

何時間くらい効果が続くお薬なのか
服薬間隔がどれくらいがベストなお薬なのか
何日くらい飲み続ければ、血中濃度が安定するのか
離脱症状が起きやすいお薬なのか

といったお薬の情報がある程度見えてきます。

お薬を内服すると、このグラフのようにまず血中濃度がグンと上がり、
それから徐々に落ちていきます。

このお薬は、投与10時間後の血中濃度は「10」ですが、
投与20時間後には血中濃度は半分の「5」に下がっています。

血中濃度が半分になるのに要する時間は「10時間」ですので、
このお薬の半減期は「10時間」ということになります。

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そして半減期が10時間のお薬だということは、
このお薬に関して次のように言う事ができます。

10時間くらい効果が続くお薬である
10時間に1回の間隔で内服するのが良い
内服を続ければ、50ー60時間後くらいに血中濃度が安定する
内服後、10時間経ってもお薬が再投与されないと離脱症状がおきやすい

詳しく説明していきます。

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10時間くらい効果が続くお薬である

半減期が10時間ということは、内服して10時間くらい経つと効果がなくなるということ。
半減期は、薬効が消失する時間とある程度一致します。

ただし半減期はあくまでも目安で、個人差はありますので気を付けてください。
お薬を分解する力が強い人もいれば弱い人もいます。
人によって誤差があります。

特に肝臓が悪い方は、お薬を分解する力が弱まっているため、
一般的に半減期よりも長く時間お薬が身体に残ってしまいます。

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10時間に1回の間隔で内服するのが良い

薬の効果が消失しないようにするには、約10時間の間隔で内服を続けるのが
よい事が分かります。

正確に10時間間隔で、というのは難しいでしょうから
1日2回朝夕食後とかが現実的な内服間隔になるでしょう。

この間隔で内服を続ければ、理想的な効果が得られやすいということです。

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内服を続ければ、50ー60時間後くらいに血中濃度が安定する

血中濃度が一定になるようペースで5-6回の反復投与を続けると、血中濃度は安定すると言われています。
この血中濃度が安定した状態を「定常状態」と呼びます。

半減期10時間のこの薬を5-6回飲み続けると定常状態に達しますから、
このお薬の服薬を始めた場合、50-60時間後に定常状態に達することが分かります。

飲み始めて2-3日経つと十分な効果が出る薬だということが分かります。

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内服後、10時間経ってもお薬が再投与されないと離脱症状がおきやすい

お薬の血中濃度が最大値の半分以下になると離脱症状が出やすくなると言われています。

このお薬でいうと、10時間後に再度お薬を投与して血中濃度を再上昇させないと、
離脱症状が出やすいということです

半減期が来る頃にお薬を再投与することが理想です。

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このように半減期が分かるだけで、そのお薬の特徴がたくさん見えてくるのです。
半減期を意識しておくすりを選び、服薬方法を選ぶということはとても大切なことなのです。

デジレルの半減期

全てのおくすりは「半減期」いうものがあり、添付文書などに記載されています。

半減期は「薬の作用時間」と大きく関係しており、くすりが効いている時間を知る目安として使われます。

簡単に言うと

「半減期の短いお薬はすぐに効果が消えてしまう」
「半減期の長いお薬は長く効果が続く」

ということです。

ここでは、デジレルの半減期の紹介、半減期から言えるデジレルの特徴をお話します。

デジレルの半減期は約6~7時間と言われています。

デジレルの半減期は、抗うつ剤の中では短いことが分かります。
そのため、1日を通して効果を持続させたいなら、1日に複数回服薬しないといけません。

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半減期が分かると、そのおくすりの特徴がいくつか見えてきます。
例えば、デジレルの半減期が6-7時間ということは、次のように言えます。

1回内服すると6-7時間くらい効果が続く
血中濃度を安定させるには、6-7時間に1回の間隔で内服するのが良い
内服をしっかり続ければ、30ー35時間後くらいで血中濃度が安定する
内服後、-67時間経ってもお薬が再投与されないと離脱症状がおきやすい

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1回内服すると6-7時間くらい効果が続く

デジレルは半減期がおおよそ6-7時間、
つまり血中濃度が半分になるまで約6-7時間ほどかかるおくすりです。

個人差がありますが、血中濃度が半分くらいまで落ちると薬の効果はだいぶ消失します。
そのため、約6-7時間で効果がかなり少なくなると言えます。

正確には、内服してから血中濃度が最大になるまでに3-4時間かかり、
そこから6-7時間後に血中濃度が半分になるため、内服直後から考えるともう少し長くなります。

しかし、そこまで細かいことを考えるととキリがなく、更に「体質」「個人差」まで考えだすと
数値にできなくなってしまいますので、単純に「半減期=おおよその作用時間」と考えてよいでしょう。


約6-7時間に1回の間隔で内服するのが良い

6-7時間で効果が切れてしまうのであれば、6-7時間置きに内服すれば
血中濃度が安定しそうです。

現実的には「きっちり6時間おきに内服!」なんてできる人はいないでしょうから、
1日3回程度に分けて内服するのが良いでしょう。

添付文書では、1日1~数回に分けて投与すること、となっています。

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実臨床では、デジレルは睡眠の質を改善する作用に優れるため、抗うつ剤として1日中効果を持続させるよりは
睡眠補助薬として夜だけ使われることが多いです。

この場合は、1日中効果を持続させる必要はありませんから、寝る前に一回だけ服用すればOKです。

もし「1日中効果を安定して持続させたい」のであれば、1日3-4回に分けて内服するのがよい、という事です。

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内服を続ければ、30ー35時間後くらいで血中濃度が安定する

おくすりが定常状態(≒血中濃度が安定してしっかり効果が出る状態)になるには、
半減期の5~6倍の時間かかると言われています。

そのため、単純計算で、6時間×5=30時間、7時間×6=35時間ですから、
デジレルを飲み始めてから、定常状態に達するまでには1-2日ほどかかるということが分かります。

添付文書にも、1日3回内服した場合、定常状態に達するまでには「2日」かかると書かれています。

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内服後、6-7時間経ってもお薬が再投与されないと離脱症状がおきやすい

デジレルを飲んでから、6-7日前後経過して、しびれやめまい、耳鳴りなどの症状が現れた場合は、
離脱症状の可能性があります。

ただしデジレルは離脱症状をほとんど起こさないため、
実際には起こる頻度はそこまで多くありません。

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このように半減期から、様々な情報を得ることができるのです。

あくまで半減期から理論的に予測できる事ですから、現実とは異なることもありますが、
おくすりに対する情報は少しでも多いに越したことはありません。

デジレル 離脱症状と再発を混同しないこと!

抗うつ剤で離脱症状が出現すると、

「病気が再発してしまった・・・」
「私は一生薬をやめれないんだ・・・」

と落ち込んでしまう方がいます。

しかし、「離脱症状」と「病気の再発」は全くの別物です。
ここは誤解してはいけません。

離脱症状は「抗うつ剤の血中濃度が急に下がった」ために生じただけで、
別に病気が再発したわけではないのです。

離脱症状は副作用の一つであって、病気の再発ではない。

このように正しく認識し、不必要に落ち込まないようにしてくださいね。

デジレル 離脱症状の対処法

デジレルでの離脱症状に遭遇するケースはほとんどないのが現状ですが、
もし生じてしまったらどうすればいいのかを考えてみましょう。

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まず、一番可能性として考えられるのが、
「自分で勝手に量を減らしたり、やめたりして生じた」ケースです。

この場合は原因・対処法ともに明らかです。
内服量を元に戻すしかありません。

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減薬や断薬をすると、だいたい半日から1日後に離脱症状が出現してきます。

特に高用量(200mg)からいきなり中止(0mg)すると反動が大きいため、
離脱症状は強く起こりやすくなります。

早く抗うつ剤を辞めたい気持ちは良く分かりますが、自己判断で中断せず、
必ず主治医と相談の上で減薬や中断をしていきましょう。

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では、医師の指示のもとで減薬をしていたのに離脱症状が起こってしまったら
どうすればいいでしょうか。

ほとんどないケースだとは思いますが、対処法を紹介します。


Ⅰ.減薬を延期する

急いで減薬しなくてもいいのであれば、少し様子をみてから、
数か月後に減薬を再挑戦してみるとうまくいくことがあります。

離脱症状は、疾患が治りきってない時に無理して減薬すると 起きやすい印象があります。

病気が治りきってないということは、まだまだ自分の体だけでセロトニンやノルアドレナリンを
出す力が不十分だということ。

この時期に無理にデジレルを減らしてしまうと反動も出やすいため、離脱症状も起きやすくなるのです。

より病気が改善して、自分が体が自力でセロトニン・ノルアドレナリンを出す力が戻ってから
減薬をすれば離脱症状は起きにくくなるでしょう。

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Ⅱ.減薬ペースを落とす

離脱症状の対処法の基本です。

ひとのからだは急激な変化に弱いという特徴があります。
なので、可能な限り緩やかに減らすことが離脱症状対策の鉄則です。

早く抗うつ剤をやめたい気持ちはとても良く分かりますが、少しずつ確実に減らしていきましょう。
その方が、結果的に早く薬をやめられます。

例えばデジレル200mgを内服していて、 150mgに減薬したときに離脱症状が出たとしましょう。
これは200→150mgの反動に身体が耐えきれなかったという事ですから、より緩やかにすればいいわけです。

一旦175mgに再増量し、数週間慣らしてから150mgに再挑戦するとうまくいくことがあります。
もしそれでも離脱症状が起こるのなら、ちょっと面倒ですが187.5mgで再挑戦です。

細かく刻めば刻むほど、反動は小さくなります。

細かく刻むと減薬に時間がかかるというデメリットもありますが、
減薬できないまま一進一退を繰り返すよりも、
地道に少しずつ減らした方が結果的には早く減薬できるものです。

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また、減薬のペースも大切です。

一般的には2週間に1度のペースで減らしていくのがいいとされてますが、
そのペースで離脱症状が出てしまう時は、1か月に1回のペースで減らしてみましょう。

これも緩やかにすればするほど、離脱症状は起きにくくなります。

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Ⅲ.本当にデジレルの離脱症状なのか見直す

説明した通り、デジレルで離脱症状を起こすことはほとんどありません。
なので、「本当にデジレルが原因なの?」と見直してみることは大切です。

例えば、近い時期に他の抗うつ剤の量も調整したのであれば、
そっちが原因なのかもしれません。

デジレルを減量した時期に、たまたま風邪を引いてしまっていて、
それで調子が悪くなっているのかもしれません。

他の可能性はないのか、を考えてみましょう。

デジレル 他の抗うつ剤との離脱症状の比較

離脱症状は主にSSRI、SNRIに多く認められ、三環系抗うつ剤でも認められます。
その他の抗うつ剤ではあまり認められません。

出現する頻度は薬剤によって差がありますが、
軽度なものも含めると、 約20%の頻度で生じると言われています。

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離脱症状は、抗うつ剤の中でも「効果の強いお薬」に多くみられます。
効果の強いお薬の方が、減った時の反動が大きいためです。

また、半減期(薬の持続時間をはかる一つの指標)が短いほど、
離脱症状が起きやすいと言われています。

半減期が長いと、お薬が長く体に残るということなので、血中濃度は緩やかに変動しますが
半減期が短いと、お薬がすぐに抜けてしまうということなので、血中濃度は急激に変動します。

お薬の血中濃度が変動しやすいと、離脱症状も起きやすくなるのです。

「効果が強い」「半減期の短い」「SSRIやSNRI」。
これが離脱症状を起こしやすいお薬ということになります。

これに当てはまるのがパキシルです。
実際にパキシルの離脱症状は他のSSRI/SNRIよりも群を抜いて多く、程度も強いことが知られています。

サインバルタも効果がやや強めで半減期も長くはないため、離脱症状は少なくはありません。

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その他のSSRI(ジェイゾロフト、ルボックス/デプロメール、レクサプロ)、三環系抗うつ剤も
離脱症状は起こしますが、その頻度は多くはありません。

デジレルはというと、半減期は6-7時間と短いですが、
効果が弱く、SSRI/SNRIほどのセロトニン選択性がないため、
離脱症状はかなり少ない部類に入ります。

デジレル 離脱症状が起こる仕組み

離脱症状が起こる詳細な機序は、まだ分かっていないところもあります。

おおまかに説明すると、抗うつ剤の血中濃度の急な低下に身体が対応しきれず、
自律神経などのバランスが崩れて生じると考えられています。
気分に影響する物質の中でも、セロトンが特に大きく関わっているようです。

 

長い期間に渡って抗うつ剤の内服を続けていると、身体は抗うつ剤が入ってくることに慣れてきます。
身体は「毎日抗うつ剤は入ってくるものなんだ。」と認識し始め、
それに基づいて身体の様々な機能を調整するようになります。

そんな中、抗うつ剤を突然減らしてしまうと身体はパニック状態に陥ります。
当然のように毎日入ってくると思っていたものが、ある日突然入ってこないわけですから、
身体の機能の調整もうまくできなくなってしまいます。

その結果、様々な自律神経症状(耳鳴り、めまい、しびれ、頭痛など)が生じるのです。

私たちの身体は急激な変化に弱いため、変化させる場合はゆっくりと変えていかないといけません。

 

離脱症状の起こりやすさは、

  • 個々人の身体の代謝能力
  • 抗うつ剤の半減期(半減期が短いほど起こしやすい)
  • 抗うつ剤の強さ(強いほど起こしやすい)

などが関係すると言われています。

デジレル 離脱症状とは?

「離脱症状」は、抗うつ剤を減らした時に生じる様々な症状の総称です。

「離脱」という言葉は、依存や中毒でよく使われますので
「離脱症状は抗うつ剤への依存が原因で起こる」としばしば誤解されますが、それは間違いです。

離脱症状は、抗うつ剤を減らしたりやめたりすることで血中濃度が急激に変動し、
それに身体が対応しきれないために起こります。

依存や中毒の症状ではなく、血中濃度の急な変化で生じる「副作用」なのです。

 

患者さんの間では離脱症状は「シャンビリ」とも呼ばれています。
これは耳鳴りが「シャンシャン」鳴り、 手足が「ビリビリ」痺れることからつけられているようです。

 

離脱症状で生じることの多い症状には、

  • 耳鳴り
  • しびれ(電気が走るような感じ)
  • めまい
  • 発汗
  • 吐き気
  • 震え
  • ソワソワ感

など多岐にわたります。

 

また離脱症状は、

  • SSRI(パキシル、ジェイゾロフト、ルボックス/デプロメール、レクサプロなど)
  • SNRI(トレドミン、サインバルタなど)
  • 三環系抗うつ剤(トフラニール、アナフラニール、トリプタノール、ノリトレン、アモキサンなど)

で認められる事が多く、その他の抗うつ剤ではあまり認められません。

 

ちなみに「離脱症状」という用語は医学用語ではありません。
医学的には「中断症候群」「SSRI中断症候群」と呼びます。

これは先ほど書いたように「離脱」という言葉から、一般の方は「依存」「中毒」などを
イメージしやすいため、そういった誤解をさせないための配慮のようです。

なので、正確に言えば「SSRI中断症候群は・・・」と書くべきなのですが、
「離脱症状」という呼び名の方が圧倒的に認知度があるのが現状ですので、
ここでは分かりやすさを重視して、「離脱症状」で説明させて頂きます。

デジレルの離脱症状

デジレルは、離脱症状をほとんど起こしません。

その理由は、

  • SSRIやSNRIほど、選択的にセロトニンに作用しないこと
  • 効果が弱いこと

だと考えられます。

離脱症状を起こしやすい抗うつ剤の特徴は後述しますが、
セロトニンが関与していると考えられており、
セロトニンにより選択的に作用するSSRIやSNRIで多く認められます。

デジレルはセロトニンには作用するものの、その程度は強くないため
離脱症状が少ないのです。

また、デジレルの抗うつ効果が弱いことも挙げられます。
効果が弱いおくすりは、中止した時の反動も小さいため、
離脱症状を起こす頻度は少なくなります。

 

以上から、デジレルで離脱症状を心配する必要はほとんどないと言っていいでしょう。

医師の指示を守らずに乱用していたり、高用量からいきなりやめるなどの
無茶をしなければ、起こすことはほとんどありません。

デジレルの眠気の対処法

デジレルの眠気が日常生活に支障をきたす場合は、どうすればいいのでしょうか?
対処法について考えてみましょう。

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Ⅰ.様子を見てみる

まだデジレルを飲み始めたばかりという場合は、少し様子をみてみましょう。

抗うつ剤の副作用は「慣れてくる」ことが少なくありません。
半数以上のケースで、副作用は時間が経つと軽減してきます。

何とか様子がみれる程度の眠気なのであれば、少し様子をみてみましょう。
1-2週間程度、様子をみれば身体が慣れてくることが期待できます。

ひとの身体の適応力というものは意外とあなどれないのです。

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Ⅱ.増薬スピードを緩めてみる

多くの抗うつ剤は、少量から開始し、1-2週間間隔で少しずつ量を増やしていきます。
いきなり最初から大量投与する、ということはまずしません。

それは、急に体内のセロトニン量が増えるとからだがびっくりしてしまい、
副作用が現れやすくなるからです。

眠気に関しても同じで、いきなり高用量の抗うつ剤を入れると出やすくなります。

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そのため、副作用をなるべく出さないために、
増薬のペースを緩めてみることは非常に有効です。

もちろん、ペースを緩めれば抗うつ効果が出るのも遅くなってしまうデメリットもあります。
しかし、副作用が軽くなるというメリットもあるため、副作用がつらい方は検討すべき方法です。

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デジレルの場合、添付文書には75mg~100mgで開始すると書かれていますが、
別に25mgや50mgの少量から始めても構いません。

デジレルは抗うつ効果としては弱いおくすりのため、抗うつ効果を出すには
100mg、200mgなどの多い量が必要になります。
(海外では600mgまで使う国もあります)

しかしデジレルは抗うつ剤というより、睡眠薬として処方される方が多いのが現状です。
この場合、100mgもいらないことも多々あります。
25mgで充分なケースも少なくありません。

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副作用をなるべく出さないためには、できれば25mgなどの低用量からはじめましょう。
少量から開始し、増薬は身体がお薬に慣れてきてから少しずつしてください。

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Ⅲ.睡眠を見直す

そもそもの睡眠に問題がないかを見直すことも忘れてはいけません。

そもそも不規則な睡眠リズムだったり、十分な睡眠時間をとってないのであれば、
その眠気は副作用ではなく、デジレル飲み始めたことで睡眠の問題が表面化したに過ぎません。

睡眠時間は十分でしょうか?
個人差はありますが、平均的に見ると人は6~8時間程度は眠る必要があります。

睡眠の環境は整ってますか?
明るい場所、うるさい場所で寝ていたとしたら、眠りの質が悪くなって当然でしょう。
直前までスマホやパソコンをいじっていたら、脳が覚醒してしまい睡眠は浅くなります。

眠る前に食べ物を食べすぎたり、お酒を飲んだりしていませんか?

睡眠環境や睡眠時間に問題がないかを見直し、
問題があれば安易に薬のせいと決めつけずに問題を解決することを試みてみましょう。

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Ⅳ.併用薬に問題はないか?

併用薬によっては、デジレルの副作用を強めてしまうことがあります。

例えば薬ではありませんが、よく臨床で経験するのがアルコールとの併用です。
酒は抗うつ剤の血中濃度を不安定にし、眠気が悪化させる可能性があります。
この場合は、断酒しない限りは眠気の改善は図れません。

他にもデジレルの副作用を増強してしまう可能性のあるものとして、
インビラーゼ、ノービア、クリキシバン(エイズ治療薬)、バルビツール系睡眠薬などがあります。

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Ⅴ.肝機能・腎機能に問題はないか?

肝機能や腎機能が悪い方は、お薬の代謝・排泄の機能が落ちているため、
通常量を投与してしまうと、多すぎる場合があります。

この場合、副作用も通常より強く出現してしまいます。

血液検査や健康診断で肝機能障害、腎機能障害を指摘されている場合、
必ず主治医に伝えないといけません。

この場合、障害の程度によっては通常より投与量を少なくするなどの処置を
取る必要があります。


Ⅵ.服用時間を変えてみる

飲む時間を変えてみる、という方法もあります。
デジレルは添付文書には「1日1~数回に分けて服用すること」と記載があります。

しかし、朝食後とか昼食後に飲むとまず眠くなりますから、
基本的には寝る前に投与する方がよいでしょう。

日中に内服していて、眠気に困っている場合は
服薬時間を眠前に変えると良い場合があります。


Ⅶ.減薬・変薬をする

眠気が数週間ガマンしても改善せず、生活に支障を来たしているのであれば、
減薬や変薬も検討する必要があります。

デジレルに効果を感じているのであれば、薬を変えてしまうのはもったいなくも感じます。
この場合は、量を少し減らしてみてもいいかもしれません。

量を少し減らしてみて、病気の悪化も認めず、眠気も軽くなるようであれば成功です。
その量で維持していきましょう。

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デジレルの効果をあまり感じられず、眠気などの副作用だけが強く出てしまう場合は、
別の抗うつ剤に切り替えるのも手になります。

どのお薬に切り替えるかは、主治医とよく相談して決めるべきです。
眠気が少ない抗うつ剤だと、ジェイゾロフト、サインバルタ、トレドミンあたりが候補に挙がるでしょう。

ドグマチールは眠気は少ないですが、EPS(錐体外路症状)などの別の副作用の問題があるため、
主治医とよく相談して使うかは判断してください。

ただしこれらはいずれも鎮静系抗うつ剤ではないため、眠気の副作用は軽減できますが
睡眠を深くする作用もなくなってしまう事には注意してください。

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鎮静系抗うつ剤の中で他の物に変えるのであれば、
Nassaか四環系になりますが、Nassaの眠気はデジレルより強いことが多いので、
まずは四環系の方がいいかもしれません。

どの抗うつ剤も一長一短ありますので、眠気の副作用だけを考えるのではなく、
主治医とよく相談して決めてください。

デジレルの眠気 -他抗うつ剤との比較-

デジレルの眠気は、他の抗うつ剤と比べてどのくらいの強いのでしょうか?
各抗うつ剤の眠気の強さを比較してみましょう。
(個人差がありますので、必ず誰でもこの通りになるわけではありません。)

抗うつ剤の中で、眠気が強力なのものは「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれています。

鎮静系抗うつ剤の代表格がレメロン・リフレックスで、他の鎮静系と比べても
眠気の強さが一段階上です。

他にもテトラミドやルジオミールといった四環系抗うつ剤、
デジレルなども鎮静系に分類され、まずまず強い眠気を引き起こします。

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しかし、鎮静系抗うつ剤の眠気は、一概に「問題」と言うわけではありません。

眠気が強すぎると集中力が落ちたり、だるさが抜けなかったりと困ることもありますが、
夜の眠りを深くしてくれるため、不眠の方には役立つ作用にもなります。

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パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、ルボックス/デプロメールなどのSSRIも
眠気を起こしますが、比較的軽度な事が多いです。
SSRIの中でもジェイゾロフトは副作用の少なさに定評があり、眠気が軽いことが多いです。

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サインバルタやトレドミンといったSNRIも眠気は少ない傾向があります。
SSRIよりも更に少ないというイメージでしょうか。

SNRIはセロトニンだけでなくノルアドレナリンにも作用します。
ノルアドレナリンは意欲や活気を上げる「覚醒系」の物質であるため、 眠気が起きにくいのでしょう。

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三環系抗うつ剤(トフラニール、トリプタノール、ノリトレン、アナフラニール、アモキサン)は
眠気を比較的起こします。
その程度は、鎮静系と比べると軽度ですがSSRI/SNRIよりは強いというところでしょう。

三環系は昔の抗うつ剤で、SSRIやSNRIと比べると作りも荒いため、副作用が全体的に多いのです。
また、三環系の中でもトリプタノールは特に眠気が出やすいおくすりとして知られています。

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ドグマチールは眠気の程度がかなり軽い抗うつ剤です。
ドグマチールには抗ヒスタミン作用やα1受容体遮断作用がほとんどないと言われています。