ジェイゾロフトの眠気が生じる仕組み

抗うつ剤は「眠気」を起こすものが多くあります。

抗うつ剤は、ヒスタミン受容体という部位を遮断する働きがあり(抗ヒスタミン作用)、これによって眠気が起きてしまうのです。アレルギー薬や花粉症のお薬で眠くなるのと同じですね。

抗うつ剤の中では、ジェイゾロフトの抗ヒスタミン作用は弱く、眠気は比較的起こしにくいか、あるいは起きても軽度のことが多いと言えます。しかし個人差が大きく、中にはジェイゾロフトの眠気で苦しんでしまう方もいます。

ジェイゾロフトをはじめとした抗うつ剤は、脳内のモノアミンと呼ばれる物質を増やすことで、抗うつ効果を発揮します。

モノアミンとは、セロトニンやノルアドレナリン、ドパミンなどの総称で、理論的には、セロトニンは落ち込みや不安を、ノルアドレナリンは意欲や活気を、ドパミンは楽しみや快楽を改善させると言われています。

増えたモノアミンは、上記のように気分を改善する方向に作用してくれます。しかしそれだけではなく、余計なところにも作用してしまうこともあります。

お薬は血液に乗って、 全身にくまなく回りますから、作用して欲しいところにも効く代わりに作用して欲しくない余計なところにも効いてしまうのです。

それが「副作用」と呼ばれるもので、眠気も抗うつ剤でしばしばみられる副作用です。

眠気が生じる主な原因は、抗うつ剤が、「ヒスタミン受容体」と呼ばれる受容体を遮断してしまうためです。

花粉症やアレルギー疾患で内科で頻用されるお薬に「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものがあります。商品名で言うと、アレグラ、アレロック、タリオン、アレジオン、ザイザルなどです。抗ヒスタミン薬も飲むと眠くなりますが、抗うつ剤と同じくヒスタミン受容体が遮断されるためです。

更に抗うつ剤の場合、この抗ヒスタミン作用以外にも α1受容体遮断作用、5HT2遮断作用などもあり、これも眠気を招く一因となってしまいます。

αとはアドレナリンのことで、アドレナリン1受容体が遮断されると血圧が低下し、ふらついたり、ボーッとしたりします(α1受容体遮断薬は降圧剤として使われています。エブランチル、カルデナリンなど)。

5HTとはセロトニンのことで、セロトニン受容体のうち、5HT2という受容体を遮断すると神経興奮が抑制されます。これは気持ちが落ち着くという良い作用にもなりますが、興奮が抑制されれば、リラックスして眠くもなります。

これが、ジェイゾロフトで眠気が生じる理由です。ジェイゾロフト以外の抗うつ剤で眠気が生じるのもほとんど同じ理由です。

ジェイゾロフトで不眠になった際の対処法

ジェイゾロフトの副作用である「不眠」が生じてしまったときはどのような対処法があるでしょうか。よく用いられる対処法について紹介します。

なおこれらの対処法は決して独断では行わないで下さい。必ず主治医の指示の元で行うようにお願いいたします。

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Ⅰ.様子をみる

不眠の副作用はつらいものですが、少し様子をみてみるのは手です。

というのも、半分くらいの方は、飲み続けていると次第に慣れてきて、不眠の副作用が軽くなってくるからです。

最初の1~2週間はつらいでしょうが、そこから徐々に改善していき、最終的にはそれほど気にならなくなった、というケースは少なくありません。

何とか様子をみれる程度の不眠なのであれば、様子をみてみるのも手だと思います。

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Ⅱ.増薬のペースを緩める

多くの抗うつ剤は、少量から開始し、1~2週間間隔で少しずつ量を増やしていきます。

それは、急に体内のセロトニン量が増えるとからだがびっくりしてしまい、様々な副作用が現れやすくなるからです。

不眠に関しても同じで、いきなり高容量の抗うつ剤を入れると強く生じやすくなります。

抗うつ剤への感度は個人差がありますので、一般的と考えられる量から開始したとしても、からだがびっくりしてしまうこともあります。

そんな時は、増薬のペースを緩めることをおすすめします。抗うつ作用が出てくるのも遅くなってしまいますが、副作用の程度が軽くなるというメリットがあります。

例えば、ジェイゾロフトは25mgから始めますが、それで不眠が強く出てしまうようなら12.5mgから初めて、少し様子をみてから25mgに上げると、副作用が出にくくなります。

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Ⅲ.眠りを深くする抗うつ剤を併用する

不眠の原因である、セロトニン2A受容体への刺激を弱めるお薬を併用すると眠りが深くなります。

先ほど説明した、

・四環系抗うつ剤(ルジオミール、テトラミドなど)
・Nassa(レメロン、リフレックスなど)
・デジレル

などは「鎮静系抗うつ剤」と呼ばれて、セロトニン2A受容体を遮断することで、逆に眠りを深くします。

ジェイゾロフトに少量の鎮静系抗うつ剤を加える、あるいはジェイゾロフトを少し減らして、少量の鎮静系抗うつ剤を加える、という方法はしばしば臨床では使われます。

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Ⅳ.別の抗うつ剤に変える

どうしても不眠の副作用がつらい場合には、別の抗うつ剤に変えるのも手です。

鎮静系抗うつ剤に切り替えれば不眠の副作用は改善される可能性が高いですが、別の副作用に困ることもありますので、主治医とよく相談してください。

基本的に鎮静系抗うつ剤は、「日中の眠気」「倦怠感」「ふらつき」などの副作用が出やすくなります。

他にも、

Nassa:体重増加
四環系:抗コリン作用(口渇、便秘、尿閉など)
デジレル:性機能障害

などの副作用がでる可能性があります。

同系統のSSRI,SNRIの中で変薬してみるのも手です。どれも不眠の副作用は生じやすいのですが、面白いことに抗うつ剤というのはたとえ同系統でも、効きが全然違うという事が臨床ではしばしばあります。

同じSSRIなのに、ルボックスからジェイゾロフトに変えたら、調子が良くなってきた、(あるいのその逆のパターンもありえます)など。

これは、同じSSRIといえども、再取込阻害作用の強さなどが薬剤間でかなり異なるためだと考えられています。

副作用に関しても同じことが言えます。ですので、別のSSRIやSNRIに変更することで、改善をはかれる可能性はあります。

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(注意)睡眠薬の併用することについて

抗うつ剤の副作用の不眠が出現したとき、睡眠薬を併用することで改善を図ることがあります。

しかしこれは、注意が必要です。

現在主に用いられている、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、睡眠潜時(眠るまでの時間)や総睡眠時間を増加させると言われていますが、深部睡眠は障害される(=睡眠の質は浅くする)と言われています。

つまり、眠れるようになるし眠れる時間も増えるけども、睡眠の質は下げてしまい、浅い眠りにしてしますのです。

浅い眠りであっても眠れないよりはいいので、併用することはあるのですが、抗うつ剤で生じる不眠も、眠りの質が浅くなって起こっていることですから、睡眠薬と併用すると、睡眠の浅さに拍車がかかってしまうことがあります。

中には、それでも「眠れるようになったからまだマシです」と一定の効果を示すケースもあるのですが、不眠の副作用がつらいからといって、どんどん睡眠薬を増やさないように注意しましょう。

それは、理論的には、かえって浅い眠りを増やす恐れがあり、不眠が悪化する可能性があります。

ジェイゾロフト 他剤との比較

不眠の副作用はセロトニン受容体の一種である、「セロトニン2A受容体」にセロトニンがくっつくことで生じると言われています。

なので、セロトニンを選択的に増やすSSRIやSNRIで多く認められます。三環系抗うつ剤でも認められますが、SSRIやSNRIほどではありません。

反対に四環系やデジレル、Nassa(リフレックス/レメロン)は、不眠はほとんど起こしません。面白いことに、これらの抗うつ剤はSSRIやSNRIとは逆でセロトニン2受容体を遮断すると言われています。

ということは、脳の覚醒レベルを下げる方向に働き、眠りを深くする効果があるのです。このため、これらの抗うつ剤は「鎮静系抗うつ剤」とも呼ばれています。

SSRI、SNRI、三環系・・・不眠になりやすい
Nassa、四環系、デジレル・・・熟眠を得やすい

睡眠に関しては、このように分類できます。

しかし、鎮静系抗うつ剤は熟眠させるかわりに日中の眠気で困ったりということもありえます。どちらも一長一短ありますので、どのお薬を使うかは主治医とよく相談しましょう。

ジェイゾロフトで不眠が生じる理由

SSRI、SNRIや三環系抗うつ剤の副作用で「不眠」が生じることがあります。これは、抗うつ剤がセロトニン受容体を刺激することで、眠りが浅くなってしまうために生じます。

本当はもっと寝たいのに、早朝に目覚めてしまったり、夜中に何度も目覚めてしまったり。人によっては悪夢にうなされることもあるようです。もちろん、不眠の副作用が全く起きないという人もいますが、出てしまった方にとっては、とてもつらい副作用でしょう。

抗うつ剤を内服する状態にある方は、ほとんどの方が精神的に疲れている状態ですから、せめて眠りくらいはぐっすりと取りたいものですよね。

ジェイゾロフトをはじめとした抗うつ剤は「神経間のセロトニン濃度を増やす」働きがあります。

増えたセロトニンは、「受容体」という部分にくっつき、くっつく受容体の種類によって、様々な効果を発現します。

受容体には色々あります。

「気分を持ち上げる」作用を持つもの、「吐き気を起こす」作用のあるもの、「眠くするもの」や「便秘、口渇を起こすもの」など本当に様々です。

抗うつ剤に期待することは「気分を持ち上げる」ことですから、「気分を持ち上げる受容体」にだけ作用してくれるのが理想です。

しかし、そううまくはいかず、実際はいろいろな受容体にくっついてしまい、余計な作用が出てしまいます(こうして起こる作用を副作用と言います)。

不眠が起こるのは、抗うつ剤が5HT(セロトニン)2A受容体を刺激するためと言われています。

セロトニン2A受容体を刺激されると、中枢神経が興奮する方向に働きます。これは活気を出したり、無気力を改善させたりという良い働きもあるのですが、脳の覚醒レベルを上げるため、不眠になりやすくなってしまいます。

本当はぐっすりと寝ないといけない時間に抗うつ剤がセロトニン2A受容体を刺激してしまうと、眠りが浅くなったり、夜中に何回も起きてしまったり、早朝に目覚めてしまったりということが起こるわけです。

また、睡眠中に脳が働いてしまうため、夢も見やすくなります。

夢は夢でも、「いい夢」「楽しい夢」ならまだいいのですが、精神状態が悪い時は「悪夢」を見る頻度の方が圧倒的に高いため、これも患者さんを苦しめてしまいます。

不眠の副作用は、

・SSRI(デプロメール/ルボックス、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロなど)、
・SNRI(サインバルタ、トレドミンなど)、
・三環系(トフラニール、アナフラニール、トリプタノール、ノリトレン、アモキサンなど)

で多く認められる副作用です。

ジェイゾロフトもこの、セロトニン2A受容体刺激作用によって、不眠の副作用を起こしてしまうのです。

ジェイゾロフト 痩せ薬としてジェイゾロフトを使うべからず

「ジェイゾロフトを飲めば痩せる」というのは誤解であることが分かります。

また、仮に痩せたとしてもそれは、下痢や食欲不振の副作用が原因です。これらの副作用で栄養が体内にうまく吸収されないために痩せるわけで、これは非常に不健康な痩せ方といっていいでしょう。

下痢や嘔吐が続けば、体の中の電解質のバランスが崩れますし、腸管を痛めつけます。食欲不振が続けば、栄養を十分に取れなくなり栄養失調になってしまうでしょう。

下痢や食欲不振の副作用がひどく、改善がみられない場合は、別の抗うつ剤に変えるべきなのです。

「痩せてるからこのままでいいや」と放置しておくと、身体を壊してしまいます。

しかし、体重増加の副作用が軽い、というのは事実です。他の抗うつ剤を内服していて、体重増加の副作用が強くて困っている場合は、ジェイゾロフトに切り替えることで改善は図れるかもしれません。

ジェイゾロフトで痩せる なぜこのようなウワサが出回ったのか

「ジェイゾロフトは痩せるらしい」なぜ、このようなウワサが出回ったのでしょうか?

これはあくまでも私の推測なのですが、前述の通り投与初期には下痢や食欲不振から一時的に体重が落ちることがあります。

初めてジェイゾロフトというお薬を飲んでみたら、1週間で数キロ痩せた。これは患者さんはびっくりしますよね。日頃から「痩せたい」と思っている方であれば、「ジェイゾロフトってすごく痩せるよ!」と喜んで周りに教えるでしょう。

このような、投与初期の一時的な体重減少から、「ジェイゾロフトは痩せる」という誤解が生まれたのではないでしょうか。

もう一つ、「他の抗うつ剤と比べると体重増加の程度が弱い」ということも誤解を起こす理由かもしれません。

ジェイゾロフトは、他の抗うつ剤よりは太る程度が軽いため、他の抗うつ剤からジェイゾロフトに変薬すると、相対的に体重増加の副作用が軽減され、体重が減るという現象が起こります。

パキシルやルボックスからジェイゾロフトに変えたり、三環系抗うつ剤からジェイゾロフトに変えたり、このような変薬では、多くの場合で数キロの体重減少が起こり得ます。

これは副作用が軽くなったために起こったことですが、薬を変えて体重が落ちたら「ジェイゾロフトは体重を落としてくれるんだ!」と誤解してもおかしくありません。

このような理由から誤解が生まれたのではないかと思われます。

ジェイゾロフトで痩せるのは最初だけ

「ジェイゾロフトは痩せ薬としても使われる」
「ジェイゾロフトを飲むと痩せる」

こんなウワサをどこからか聞き、「先生、本当なんですか??」と訪ねてくる患者さんがいます。

どこから出たウワサなのか分かりませんが、ネットなどで検索してみると、確かに「ジェイゾロフトは痩せる」という書き込みがあります。

実際、ジェイゾロフトを飲んで痩せるということがあるのでしょうか?ジェイゾロフトは「痩せ薬」として使えるのでしょうか?

結論から言うと、ジェイゾロフトで痩せるという事はほとんどありません。

正確に言えば、飲み始めには痩せることはあります。しかしこれは最初の数週間に限った「一時的」な話です。長期的に見ればほとんどのケースでは体重は増える方向に向かいます。

ジェイゾロフトを飲み始めると、人によっては投与初期に「下痢」「吐き気」「食欲不振」などの副作用が生じることがあります。下痢を起こせば体重は落ちるし、 吐き気や食欲不振で食事の摂取量が減れば、当然体重は落ちて痩せます。

加えて、抗うつ剤の体重増加の副作用は投与初期には出てこないため、飲み始めてから数週間は、どちらかと言えば痩せる方向に向くのです。

でもこれは、ジェイゾロフトの効果で痩せているわけではなく、下痢や食欲低下の結果として栄養が排出されるために痩せているだけです。胃腸炎になって下痢と嘔吐が続けば体重が落ちていくのと一緒ですね。

そして、ジェイゾロフトの内服を始めてから数週間経つと、からだがお薬に慣れ始め、自然とこれらの副作用は消失してきます。

今度は抗うつ剤の効果が出始め、からだの代謝を落とし始めるため、体重増加の副作用が前景に立ってきます。

このように、長期的に見ればジェイゾロフトは体重を増やします。中にはほとんど太らずに現状維持という方もいますが、痩せ続ける、というケースはかなりまれだと考えていいでしょう。

ジェイゾロフト内服中にお酒を飲みたくなったら

抗うつ剤の内服中のお酒を飲んではいけないことは分かった。
でも、どうしても飲みたい・・・
あるいは、職場で飲まなきゃいけない状況にある・・・

こんな場合、どう対処したらいいでしょうか?

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Ⅰ.我慢

身も蓋もない言い方ですが、やはり「我慢」が基本になります。お酒を我慢することで病気は早く治ります。

あなたの病気が治ることで喜んでくれる人がたくさんいるはずです。その人たちのためにも、早く治したいですよね。

頑張って我慢しましょう!
Ⅱ.抗酒剤を使う

あまり知られていないのですが、抗酒剤というものがあります。これは、「お酒を飲めなくするお薬」です。

いくつか種類があるので紹介します。

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ノックビン、シアナマイド

昔からある抗酒剤です。

ノックビンやシアナマイドを飲んでからお酒を飲むと、少量の飲酒で顔面紅潮、血圧低下、心悸亢進、呼吸困難、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなどが生じるようになります。

これらのお薬はアルコールを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素を阻害することで、アルコールを分解しにくくし、少量のアルコールで体がまいってしまうようにするのです。

懲罰的な方法ですが、飲酒する自分を自制したいんだけど、つい欲求に負けてしまう、という人には効果があります。

これらの薬を服用してしまえば、お酒を少し飲んだだけで不快症状が出現しますから、実質、お酒を飲めなくなります。

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レグテクト

中枢神経のNMDA受容体を阻害したり、GABA-A受容体を刺激することで「飲酒欲求を抑える」と言われているお薬です。

ノックビンやシアナマイドのように懲罰的に飲めなくするのではなく、「飲酒したい気持ちが少なくなる」というものです。

まだ発売されてから浅いため、データの蓄積が少ないお薬ですが、効果は強くはないと感じます。

「あともうひと押しがあれば、お酒を我慢できるんだけど・・・」といった方にはいい適応かもしれません。

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Ⅲ.ドクターストップだと言う

病名などは言いずらいかもしれませんが、「医師から飲酒を止められている」と言ってしまいましょう。医者のせいにすることで、あなたが責められる可能性を少なくできます。

残念なことに、お酒を飲まないと「付き合いが悪いやつだなぁ」と嫌味を言ってくる人が未だにいます。そんな時は、自分のせいではなく医者のせいで飲めないんだと責任を医師になすりつけちゃって構いません。

「次、お酒を飲んだことが判明したら出勤停止にしますからね、って医師から脅されてるんです」

くらい言っちゃっても、私が主治医なら全然許します。ここまで言えば、たいていの人は無理に勧めてこないでしょう。

無理して飲ませてしまったら、その人のせいで出勤停止になるわけですからね。お酒を勧めた人は「医師の治療を故意に妨害した」ことになります。

会社の産業医体制がしっかりしているのであれば、産業医にも事前に相談しておくと、より安心です。
Ⅳ.周囲の協力にしてもらう

飲酒を我慢するのは、自分の意志との戦いになります。でも、人間一人の意志というのは弱いものです。自分の意志だけで折れそうな時は、周囲にも協力してもらいましょう。

例えば私の患者さんで、夫がうつ病になって抗うつ剤を内服したのを機に奥さんも飲酒をやめた、という家庭がありました。

この夫婦は二人そろってお酒好きで、毎晩二人で晩酌するのが楽しみだったそうです。

そんな中、夫がうつ病になってしまい、抗うつ剤が始まったので飲酒ができなくなりました。

妻は飲酒できますが、夫の前で飲酒をしちゃったらあまりに酷だと思ったそうで、夫が治るまで一緒にお酒を我慢することを決めたそうです。

妻がお酒が大好きなことを知っている夫は、妻のこの行動にとても心を打たれ、それが断酒を続ける大きな力になったそうです。

「一日でも早く治して、妻とまたお酒を飲みたいですね」

そうおっしゃっていた彼は、順調に改善し、今では通院終了となっています。きっと奥様とおいしいお酒を飲まれていることでしょう。

周囲の協力って、とても大きいですよ。
Ⅴ.どうしても、という時はお酒と抗うつ剤のピークをずらすこと

これは本当にやむを得ない場合の方法です。

飲酒をしないことが原則なんですが、本当にどうしてもやむを得ない事情があってお酒を飲まなくてはいけなくなった場合の話です。

できれば飲酒してほしくないのですが、どうしてもやむを得ない場合、まずは可能な限り少量の飲酒となるよう努めてください。

そして、焼石に水程度の工夫ですが、抗うつ剤の血中濃度のピークとお酒の血中濃度のピークの時間を出来る限り離すようにしてください。

ちなみにジェイゾロフトはだいたい内服後6-10時間で血中濃度はピークになります。お酒は飲む量にもよりますが、飲酒後30分から2時間くらいがピークです。

ここから計算して、お互いの血中濃度のピークをなるべく離してください。ピークが離れれば離れるほど、相互作用の影響はまだ小さくなります(それでも0にはなりませんが・・・)。

例えば、夜20時から飲み会をする予定であれば、アルコールの血中濃度のピークは21-23時ごろと予測できます。となるとジェイゾロフトのピークを朝9-11時ごろにすれば、理論上は一番被害を少なくできますね。

ジェイゾロフトとお酒を併用したらどうなる?

このように、抗うつ剤とお酒を併用することはデメリットの方が多く、ほとんどの医師が「抗うつ剤の内服中はお酒を飲まないように!」と言います。

しかし困ったことに、お酒を併用してしまう人は後を絶ちません。

元々お酒が大好きで、どうしても我慢できなかったという人から、仕事の接待でどうしても飲まざるを得なかったという人まで理由は様々ですが、併用してしまうケースは少なくないのが現状です。

そういえば昔、仕事帰りにバーに立ち寄ったら、患者さんがお酒をがぶがぶ飲んでいる現場に遭遇して、お互い苦笑いしてしまった、なんてこともありました・・・(診察時に「先生、こないだはごめんなさい・・・」と謝ってくれましたが)。

では、ジェイゾロフト内服中にお酒を飲むとどうなってしまうのでしょうか?

ちょっとの量であれば「その場は」大きな問題にならないことがほとんどです。翌朝いつもより少しだるさが残るかな、というくらいです。

飲酒をしてしまったがためにおおごとになった、というのは私は経験したことはありません。

ただし抗うつ剤を飲んでいると、いつもよりお酒が抜けにくいという感じはあるようで、「お酒に弱くなった」「前はあんな量で二日酔いにならなかったのに」と感じるそうです。

これは抗うつ剤とアルコールの相互作用で、お酒が体から抜けにくくなったり、抗うつ剤の副作用の倦怠感が強くでてしまったためでしょう。

ちょっとの飲酒であれば、少しの身体の不調程度で済みますが、たくさん飲んでしまうと、時として問題になります。

朝起きれずに翌日の仕事を欠勤してしまったり、翌日に、強い抑うつ状態や疲労感に襲われたりします。

抗うつ剤の内服中に飲酒をすると、

「いつもよりお酒がまわりやすくなる」
「翌日に気分の落ち込みや疲労感が強くなりやすい」

というのが、飲酒を白状してくれた患者さんのお話から感じる印象です。

命に関わるような大問題になるケースはほとんどありませんが、だからと言って抗うつ剤とお酒を一緒に飲んでOKというわけではありません。お酒を飲んで抗うつ剤の血中濃度が不安定になっているということは、抗うつ剤の効きを悪くしているということです。

つまり、「飲酒をすればするほど、病気の治りが悪くなる」という認識を持つべきです。

あなたが抗うつ剤を飲んでいる理由はなんでしょうか?
一刻も早く、病気を治したいからではないでしょうか?

お酒を飲むということは、それを自らの手で遅らせているということ。これを理解した上で飲酒をしてください。

支えてくれる家族のため、
協力してくれている同僚のため、
そして何よりも自分のため

一日でも早く病気を治すこと、それがあなたがしなくてはいけない一番のことです。

不要な飲酒を続ければ、抗うつ剤がうまく効いていない期間が続きます。それはいつまでも病気が治らない期間を自ら作っているということです。

本当にそれでいいのでしょうか?

一時の快楽に流されるのではなく、これらのことをしっかりと考えて本当に飲酒していいのかどうか、決めてください。

あともう一つ。お酒を飲んだら、ほとんどの人は医師に隠そうとします。

しかし実を言うと、医師に隠すメリットはほとんどありません。私は飲んでしまったのなら正直に言ってほしいと思ってますし、これは恐らく他の医師も同じなのではないかと思います。

「先生が怒るだろうし」
「もう診察してもらえなくなるかも」

と怖がる人もいると思いますが、実は正直に白状する方がメリットが大きいのです。

飲酒をしていて、うつ病の治りが悪い場合と飲酒をしていないのにうつ病の治りが悪い場合では、治療の方針が変わってきます。

飲酒をしていれば、抗うつ剤の効きが不安定になっていることが予想できるので、治りが悪いのは当然の結果と言えます。

飲酒を続ける限りは、別の抗うつ剤に変えても効果が乏しいと思われますし、抗うつ剤の量を増やしても、より血中濃度が不安定になり、更に悪化する可能性もあります。

しかし、飲酒をしていないけど抗うつ剤があまり効いていないのであれば、別の抗うつ剤に変えたり、お薬の量を増やしたりした方がいいかもしれません。

本当はお酒を飲んでいるのに「お酒は飲んでいない」と言われたらどうなるでしょう。医師の治療の判断が曇ってしまいますよね。

「お酒は飲んでない」という言葉を信じて増薬したら、より血中濃度が不安定になり、より経過が悪くなってしまいます。こうなると治療が迷走してしまうし、あなたの治療予後も悪くしてしまう可能性があります。

飲酒は正直に白状してください。もちろん、飲酒しないのが一番ですけどね。

ジェイゾロフトと酒の相互作用

抗うつ剤の内服中に「酒を飲んでいいのか?」ということについては、 気になっている方が多いようです。

酒が大好きでどうしても飲みたいという方もいれば接待や付き合いで飲まざるを得ないという方もいるでしょう。

結論から言ってしまうと「抗うつ剤の内服中は酒を飲まない方がよい」が答えになります。

ジェイゾロフトも抗うつ剤であり、酒・アルコールとの併用は勧められていません。

ジェイゾロフト内服中はなぜ酒を飲んではいけないのか。酒を飲んだらどうなってしまうのか。酒を飲まないために、どんな工夫や対処法があるのか。

まずはジェイゾロフトの添付文書を見てみましょう。アルコールとの相作用についてはこのように記載があります。

「本剤(ジェイゾロフト)投与中は、飲酒を避けることが望ましい。本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている」

絶対にダメ、とは書いていないものの、併用は好ましくないという内容です。

添付文書に記載中の「相互作用は認められていない」という記載は、「相互作用がない」という意味ではなく、「そういった実験はしていないから報告はない」という意味でしょう。

ジェイゾロフトに限らないのですが、抗うつ剤とアルコールは相互に作用し合い、お互いの効果を不安定にしてしまう傾向があります。

酒が代謝酵素の活性を不安定にすることで、抗うつ剤の血中濃度を不安定にしてしまうし、逆もまた然りなのです。

抗うつ剤には、ちょうどよく効く血中濃度(=至適濃度)というものがあります。アルコールが入ると、抗うつ剤の血中濃度が不安定になるため、薬物の至適濃度を保てなくなる可能性が高くなります。

抗うつ効果を弱めて経過を悪くしたり、反対に強めて変なテンションにしてしまったり、お酒の濃度が高まって泥酔状態にしてしまったり、少しの飲酒量で二日酔いになったり…

と、このような様々な弊害が出ます。

抗うつ剤とお酒を併用すると、互いの血中濃度を不安定にしてしまう。そのため、基本的には併用しない方が望ましい。

と言えます。

ジェイゾロフトで太ってしまった時の対処法

ジェイゾロフトの服用で、困るほどに太ってしまう事はそう多くはありません。しかし数ヶ月、数年と長期間服用が続く事で、徐々に体重が増えてきてしまう事はあります。

ジェイゾロフトで太ってしまったら、どのように対処したらいいでしょうか。

ここでは臨床でよく用いられる対処法を紹介します。

なおこれらの対処法は決して独断では行わないで下さい。必ず主治医の指示のもとで行うようお願いいたします。

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Ⅰ.生活習慣を見直す

一番大切なことは、生活習慣を見直すことです。

規則正しい生活、適度な運動などの代謝を改善する行動を続ければ、たとえ抗うつ剤を服用していたとしても体重は落ちやすくなります。

抗うつ剤は体重が「落ちなくなる」のではありません。体重が「落ちにくくなる」だけです。しかるべき行動をとれば、体重は落ちやすくなります。

・食事は規則正しく3食食べているでしょうか。
・食事の量やバランスは適正でしょうか。
・間食や夜食など、太る原因になる食行動をしていないでしょうか。
・適度な運動はしていますか

散歩などの軽い運動でもいいですし、余裕があればジョギングやサイクリングなど強度の高いものにトライすれば代謝がより改善されます。

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Ⅱ.抗うつ剤の量を減らしてみる

もし精神状態が安定しているのであれば、減薬を考えてみるのもいいかもしれません。

ジェイゾロフト以外にも向精神薬を内服しているのであれば、原因薬はジェイゾロフトとは限りませんから、どの薬を減らすかは主治医とよく相談してください。

体重増加で困っているのであれば、主治医に相談することは大切なことです。主治医はあなたの体重増加をあなたほど重く捉えていないかもしれないからです。

というのも、体重が増えてどのくらい困るかは人それぞれです。

ガリガリに痩せてた男性であればちょっと体重が増えても全然困らないでしょう。でもスタイルに気を使っている若い女性にとって、体重がちょっとでも増えることは大きな恐怖です。

体重増加に対して主治医とあなたとの間に認識のギャップがある恐れがありますので、少なくとも自分が困っていることなのであれば、相談してみる事をお勧めします。

ただし病状によっては薬の量を減らせないこともあります。相談の上で、お薬を減らせないという結論になった場合は、勝手に減らすことはせず、主治医の判断に従ってください。

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Ⅲ.別の抗うつ剤に変えてみる

別の抗うつ剤に変えてみるという手もあります。

候補に挙がるのは「太りにくい」という視点だけから見ればSNRIが候補に挙がります。

サインバルタ(一般名:デュロキセチン)
トレドミン(一般名:ミルナシプラン)
イフェクサー(一般名:ベンラファキシン)

などが挙げられます。

また、一部の四環系抗うつ剤やデジレル・レスリン(一般名:トラゾドン)なども体重増加の副作用は少なめです。しかし、これらは抗うつ作用も弱いため、切り替えは慎重に判断しなければいけません。

それぞれの抗うつ剤には長所と短所がありますので、体重増加の視点だけで考えるのではなく、総合的に判断することが大切です。やはり主治医とよく相談することですね。

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まとめ

ジェイゾロフトの服用で太る事はあるが、その程度は他の抗うつ剤と比べると少ない。
体重増加が生じたら、 それが本当に薬のせいなのかを見極めることが大切。安易はお薬の中断は体重を改善させないばかりか病状の悪化を招く。
ジェイゾロフトで太ってしまったら「生活習慣を改善」「ジェイゾロフトの減薬」「他の抗うつ剤への切り替え」などの対処法がある。

本当にジェイゾロフトのせいで太ったのか?

抗うつ剤の中では、

リフレックス・レメロン(一般名:ミルタザピン)
パキシル(一般名:パロキセチン)
三環系抗うつ剤

は抗ヒスタミン作用が強いため、特に太りやすいと言えます。

反対に、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害薬)は全体的に体重増加の程度は少なめです。これはSNRIは「ノルアドレナリン」という代謝を促進させるアドレナリン系を増やす作用があるためです。

ジェイゾロフトの体重増加の程度は、坑うつ剤の中でも少なめになります。また同種のSSRIの中でも少なめだと言えます。

そのためSSRIが適している患者さんで、なるべく体重増加を起こしたくない場合にジェイゾロフトは良い選択肢になります。

ただし抗うつ剤の副作用は個人差が大きいので、実際はこの表通りにいかないこともあります。あくまでも一般的な傾向として参考にしてください。

抗うつ剤の服用で「太ってしまった」という方に知って欲しい事があります。

インターネットの発達によって「精神科のお薬は太る可能性がある」という認識は、患者さんにはだいぶ浸透してきたように感じます。

お薬の副作用が正しく患者さんに知られることは好ましいことです。しかし一方で太ってしまったら安易に「あぁ、薬のせいか…」と判断してしまうケースも散見されます。

お薬の服用中に何らかの症状が生じた場合、その症状は、

疾患(うつ病など)による症状
お薬の副作用

の2つの可能性が考えられます。

ジェイゾロフトで体重増加が生じた時も同様で、本当にジェイゾロフトの副作用の体重増加なのか、きちんと見極めることが大切です。

もちろんジェイゾロフトの副作用で太ることはあります。

しかしジェイゾロフトを処方されているということは、うつ病などによって精神が不調があることがほとんどでしょう。このように精神が不調な時は太りやすいというのもまた事実です。

例えばうつ病で意欲低下や倦怠感があって、身体もほとんど動かさずに一日中部屋に閉じこもりっぱなしだとしたら、太るのは当然でしょう。あるいはストレスから過食がちであったり、間食が多くなっているのであれば、それも太って当然です。

この場合は一概にジェイゾロフトの副作用とは言えませんよね。

太ったのは本当にジェイゾロフトのせいなのか、他の原因は考えられないのか。

安易に決めつけず、必ず自分の体重増加の原因を見直すようにしましょう。

精神的に不安定なときは自分の状況を客観的に見れない事もありますので、そのような場合は家族に聞いてみたり主治医と相談してもいいと思います。その上で、ジェイゾロフトの副作用で太っているのかそれ以外の原因なのかを正しく見極めてください。

もし運動不足や過食が原因で太っているのに「ジェイゾロフトのせいだろう」と決めつけて内服をやめてしまったらどうなるでしょうか。

抗うつ剤をやめれば更にうつ照応は強くなり、倦怠感や意欲低下、過食が強まります。そうなってしまえば体重増加は改善するどころかより悪化してしまうでしょう。

しっかりと見極めることは、病気を早く治すためにも大切なことなのです。

ジェイゾロフトで太る機序

ジェイゾロフトは抗うつ剤の中でも体重増加が少なめのお薬にはなりますが、そうは言っても長期間服用を続けていると、太ってきてしまう事はあります。

ではこの体重増加は、どのような機序で生じているのでしょうか。

これはジェイゾロフトに限らず多くの抗うつ剤に共通する機序になりますが、ジェイゾロフトで体重増加が生じるのは、このお薬が持つ、

抗ヒスタミン作用
代謝抑制作用

が原因です。

多くの抗うつ剤には抗ヒスタミン作用があります。これは抗うつ剤が「ヒスタミン」という物質がくっつく部位である「ヒスタミン受容体」にフタをしてしまい、ヒスタミンが作用できないようにブロックしてしまう作用です。

ヒスタミンは体内で様々な作用を持つ物質ですが、その1つに「食欲を抑える」というはたらきがあります。抗うつ剤によってヒスタミンがブロックされると、食欲が抑えづらくなり、その結果体重が増えて太ってしまうのです。

そしてジェイゾロフトにも抗ヒスタミン作用があります。

また代謝抑制作用というのは、心身がリラックス状態になる事で、心身の代謝が低下する作用の事です。これは気持ちを落ち着かせたり、身体の緊張をほぐすという良い作用でもあるのですが、一方で代謝を落として脂肪が燃焼しにくくなったりもするため、太りやすくなってしまいます。

この2つの機序によってジェイゾロフトは体重を増やしてしまっていると考えられています。

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ただしジェイゾロフトの抗ヒスタミン作用は、他の抗うつ剤と比べて弱めであるため、太る程度も抗うつ剤の中では少なめになります。

ジェイゾロフトは太るのか? 

精神に作用するお薬(向精神薬)は、服用を続けていると太ってしまいやすいものが多くあります。

基本的に向精神薬というのは心身をリラックスさせたり鎮静させるために投与しますので、それによって代謝が落ちたり、食欲が上がりやすくなるのです。

ジェイゾロフトは向精神薬の中でも、抗うつ剤に属するお薬になります。抗うつ剤の中でもSSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)という種類に属し、脳神経間のセロトニン濃度を高める事で、落ち込みや不安などを改善させる作用を持ちます。

心身をリラックスさせる作用がありますので、やはり太る可能性はあります。しかしその程度は、他の抗うつ剤よりは軽めになります。

ジェイゾロフトで太る程度はどのくらいなのでしょうか。また他の抗うつ剤と比較してどの程度少ないのでしょうか。

まずジェイゾロフトは太るのでしょうか。

その答えを簡潔に言えば、「可能性はあるが、同種のお薬の中では少なめ」となります。

ジェイゾロフトの添付文書を読むと、体重についての副作用はこのように記載されています。

体重増加(頻度:1%未満)
体重減少(頻度:1%未満)

このように、体重増加(太る)と体重減少(痩せる)の両方の報告があります。

しかし臨床での印象は添付文書とは違います。服用初期に限って言えば、一時的に痩せる事はありますが、長期的に見て痩せるという事はありません。どちらかというと太る方向になります。

ジェイゾロフトは、服用初期に「下痢を起こしやすい」「吐き気で食欲が落ちやすい」という特徴があるため、短期間でみれば確かに体重が落ちることはあります。しかし長期的にみると、ジェイゾロフトで痩せるということはほとんどありません。

体重減少の記載が添付文書にあるのは、下痢や食欲不振などによる一過性の体重減少をとらえたためだと思われます。

大抵の場合、抗うつ剤はある程度長い期間服用するものです。そのため一時的には痩せても、長期的みれば太る方向になることがほとんどです。

ただし、太る可能性があるとは言っても、ジェイゾロフトは抗うつ剤の中でも太りにくい部類に入ります。そのため、体重増加が心配な方に好まれやすい抗うつ剤の1つです。

抗うつ剤の中でも特に「太りやすい」ものというと、

リフレックス・レメロン(一般名:ミルタザピン)
パキシル(一般名:パロキセチン)
三環系抗うつ剤

が挙げられますが、これらと比較するとジェイゾロフトの体重増加はかなり緩やかです。

ジェイゾロフト 離脱症状と再発を混同しないこと!

抗うつ剤を減量して離脱症状が出現すると、

「病気が再発してしまったんだ・・・」
「私は一生薬をやめれないんだ・・・」

と落ち込んでしまう方がいます。

確かにお薬を減らしたりやめたりしたら不調になったという事であれば、「自分はもうお薬をやめられないのだ・・・」と考えてしまうのも分かります。

しかしこれは完全な誤解です。

「離脱症状」と「病気の再発」は全くの別物です。

離脱症状は「抗うつ剤の血中濃度が急激に下がった」事で身体がびっくりしている反応であり、別に病気が再発したわけではないのです。

離脱症状は抗うつ剤の副作用の1つに過ぎません。病気の再発とは全く関係のないものです。そのため離脱症状が生じたら、身体がびっくりしないような減薬方法を取る事が正しい方法なのであり、「自分の病気は一生治らないという事だから一生お薬を飲まないと・・・」などと落ち込むのは全くの間違いです。

離脱症状を正しく理解し、不必要に落ち込まないようにしてくださいね。

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まとめ

離脱症状は、抗うつ剤の血中濃度が急に変化したことに身体が対応できない事で生じる

離脱症状はSSRI、SNRIに多く認められ、三環系抗うつ剤でも時折認められる

離脱症状は「作用の強い」「作用時間の短い」抗うつ剤で生じやすい

内服の自己中断が原因の離脱症状は、内服を再開すれば改善する

減薬の過程で離脱症状が出現した際は、減薬を延期したり、減薬ペースを緩めたり、他剤に切り替えるなどの方法が有効である

離脱症状は抗うつ剤の副作用であり、病気が再発・悪化したわけではない