「うつ病の薬」カテゴリーアーカイブ

うつ病に用いられるドーパミン作動薬

うつ病はドーパミンの減少が一因である。
ドーパミンを増やす作用のあるドーパミン作動薬はうつ病にも効果がある。
ドーパミン作動薬の効果は軽度である。
ドーパミン作動薬を投与する事で意欲や快楽の改善を得られる可能性がある。

しかし、現状のドーパミン作動薬は、元々がパーキンソン病の治療薬として作られているため、
主にD2受容体に作用するお薬ばかりになります。
そのため、D2受容体への作用が主でありながらもD3受容体にも作用する薬を用います。
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ドーパミンってどんな物質なのでしょうか。

ドーパミンは気分に大きく関わる神経と神経の間で情報伝達をする物質であり、
精神科領域においては重要な物質になります。

ドーパミンは快楽・楽しみに関わっている物質ですので、それが低下してしまうと

「何も楽しめない」

「生きている意味が感じられない」

といったうつ状態になってしまいます。
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パーキンソン病とうつ病の共通点

うつ病の薬物療法というと「抗うつ剤」を用いるのが一般的です。
しかし実は抗うつ剤以外でも、 うつ病に効果のあると報告されている薬がいくつかあります。
主にパーキンソン病に使われる、「ドーパミン作動薬」もその一つです。

ドーパミンは快楽・楽しみに関わっている物質ですので、それが低下してしまうと
「何も楽しめない」「生きている意味が感じられない」といったうつ状態になってしまいます。
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ジプレキサをうつ病に処方するのはどんな時?

ジプレキサは、統合失調症と双極性障害(躁うつ病)に対して適応を持つ薬です。
医師の判断によっては、うつ病に対してジプレキサを使用することだってあるのです。

ジプレキサの適応疾患は、「統合失調症」「双極性障害」の2疾患ですので、
それ以外の疾患に処方すれば適応外処方になります。

しかし病気というのは、個人個人で症状が大きく異なります。
特に精神疾患は「こころ」という目に見えないものを治療するわけですので、必ずしもルール通りにはいかないことがあります。
適応内の処方では限界がある、と医師が判断した時、適応外処方が行われることがあります。

基本的にジプレキサは統合失調症と双極性障害に適応を持つ薬ですので、うつ病には使用しません。
そのため、うつ病の患者さんに対していきなりジプレキサを処方する、ということはほとんどありません。
うつ病の患者さんへのジプレキサ投与は、適応外処方ですのでいきなり投与していいものではなく、
やむを得ないケースに限られるからです。

比較的よく認められる「うつ病でジプレキサが処方されるケース」を紹介します。
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抗うつ剤の効果判定を正しく行うためのポイント

効果判定といっても、抗うつ剤が効いているのかどうか自分ではよく分からない、ということも多いでしょう。

「多少は良くなった気がするけど、はっきりとは分からないなぁ」
「効いてるっていう明らかな実感はないけど、効いているかもしれないです」

抗うつ剤はゆっくり効いてくるものですので、その効果をはっきりと把握することが難しいのです。

この時、あいまいな効果判定を元に今後の抗うつ剤をどうするかを決めてしまうのは非常に勿体無いことです。
本当は効いているのに「効きがよく分からない」という判断で薬を変えてしまえば、病気が悪化してしまうかもしれません。
また本当は効いていないのに「あまり効きは分からないけど、効いている気もするし、薬を変えるのも怖いから…」と
ダラダラと効いていない薬を続けるのも良い治療とは言えません。
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効果発現の速い抗うつ剤と遅い抗うつ剤

抗うつ剤が効果が出始めるまでの時間はお薬によっても違いますし、個人差もあります。

基本的には古い抗うつ剤ほど効果が出るまでに時間がかかり、
新しい抗うつ剤ほど効果が出るのが速い傾向があります。

新しい抗うつ剤の方が選択性が高く、余計なところに作用せずにピンポイントでセロトニンなどを増やしてくれるため、
早く濃度が上がりやすいのかもしれません。
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抗うつ剤では副作用が最初に出てくる

抗うつ剤はちょっと変わった作用のしかたをします。

それは副作用が最初に出てくるというものです。

抗うつ剤は、服薬後(数時間?数日後)は副作用が先に顔を出します。
そして数週間経って副作用が落ち着いてきたらやっと効果が顔を出し始めるのです。
抗うつ剤は、飲み始める前に必ずこの特性についてしっかりと説明を受け、理解しておかないといけません。
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抗うつ剤はどれくらいで効果が出るのか

抗うつ剤はうつ病をはじめ、不安障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害(PTSD)など、幅広い疾患に用いられる治療薬になります。

一般的に抗うつ剤は即効性がなく、数週間かけてジワジワと効いてくお薬です。
そのため、抗うつ剤は効いているのかどうかが判断しにくいことがあります。
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抗うつ剤を使うべきなのは?

1.重症うつ病

抗うつ剤は軽症例においてはプラセボ(偽薬)と治療成績に差がないという報告もあります。

しかし逆に重症うつ病においては、抗うつ剤とプラセボは抗うつ剤の方が有意に治療成績が良くなります。
ここから、重症のうつ病に対しては抗うつ剤はある程度積極的に用いるべきだと言えます。

ちなみに重症の定義も明確には定まっていないのですが、おおむねの感覚としては、

「うつ病の症状があり、日常生活に大きな支障をきたしている状態」

と考えていただくと良いと思います。

具体的には、うつ症状によってほとんど仕事に行けない、
全く動けない、生活に必要な活動がほとんど出来ない、などが該当します。
2.メランコリー親和型によるうつ病

メランコリー親和型うつ病の方に、抗うつ剤が比較的よく効く事は昔から経験的に知られていました。
メランコリー親和うつ病は「内因性うつ病」とも呼ばれ、メランコリー親和型性格を持つ方が発症するうつ病の事です。

【メランコリー親和型性格】

・ルールや秩序を守る、几帳面
・自分に厳しく、完璧主義、責任感が強い
・他者に対しては律儀で誠実。衝突や摩擦を避ける

などの「秩序志向性」を持つ性格傾向。

もちろんメランコリー親和型であっても軽症であった場合などでは、まずは薬以外の治療も検討すべきです。
しかしメランコリー親和型は比較的薬が効きやすいことを考えると、
他のタイプのうつ病と比べればより積極的に薬を導入しても良いのではないかと思われます。

ちなみに、メランコリー親和型とそれ以外のうつ病で抗うつ剤の効きに差はない、という報告もありますので、
この意見には批判的な専門家もいると思います。

しかしうつ病の症状は様々であり、同じうつ病でも症状はによって大きく異なります。
そのため、教科書的にキレイに判断できないような事も多々あり、
専門家であっても抗うつ剤を使うべきかの判断に迷ってしまうケースはあります。

例えば、明らかに重症のうつ病である場合は、抗うつ剤を使うべきかについて大きく悩むことはあまりないでしょう。

しかし臨床をしていて、判断に迷うケースの1つに、

「一般的には抗うつ剤の適応にならないけども、その他の治療が導入できない時」

があります。

例えば軽症うつ病の患者は、一般的には安易に抗うつ剤から始めるべきではなく、
まずは精神療法(カウンセリングなど)や環境調整から始めましょうと言われています。

もちろんこれは正論でしょう。

しかし、

「カウンセリングは費用面・時間面から受けることができない」
「カウンセリングで認知の修正をしようとしても、なかなか日常で実践できない」
「睡眠をしっかりとるという生活指導がなかなか実行できない」

というような場合が、臨床では少なからずあります。

薬以外の治療が望ましいのだけど、その薬以外の治療がなかなか導入できない、
あるいは患者さんに実践する余裕がないような場合です。

この場合、薬を使わずに経過を見ていても改善はなかなか得られないでしょう。
それでも「この患者は抗うつ剤の適応ではないから」とかたくなに抗うつ剤の服薬を避けることは本当に正しいのでしょうか。

こういった場合、

「本当は抗うつ剤はあまり推奨されないけど、やむを得ない」

と考えて抗うつ剤を処方する先生も多いと思います。

これはある程度仕方のないことでしょう。

「本当は抗うつ剤を使わないで治すのが一番いいのだけど、カウンセリングはお金の面で受けられないということですし、
なかなか生活習慣の改善も行えない日が続いてますので、抗うつ剤を使ってみるのはどうでしょうか」

と患者に抗うつ剤を処方する理由をしっかりと説明した上で処方を検討することは、現実的には十分検討される選択肢になります。

一般的な「抗うつ剤と安易に使うべきでないケース」であっても、患者個々の事情により、抗うつ剤が検討されるケースはあり、

一概に

「この症例に抗うつ剤を使うのは正しい」
「この症例に抗うつ剤を使うのは間違っている」

と言えるものではないのです。

抗うつ剤が必要なのか最終的な判断は主治医による

精神科を受診し、主治医から抗うつ剤の服薬を指示された時、

「今の自分に本当に抗うつ剤が必要なのだろうか」
「先生は薬と言うけれど、他の治療法ではダメなのだろうか」

このように疑問を感じる方は少なくないようです。
実際、このような疑問から転院をしたりセカンドオピニオンを受けたりする患者もいらっしゃいます。

精神疾患は症状が目に見えないため、治療を行う根拠を明確にしにくいところがあるのです。

もちろん精神科医は精神科的な診察所見から治療方針を慎重に決定しています。
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うつ病でPEAを測定する方法

PEAは血液検査で測定できます。
内科や健康診断などで行われる一般的な採血と同じ方法ですので、患者にそこまで特別な負担がかかる検査ではありません。

一般的な採血と同様に、

前日の飲酒は控えること
空腹時に採血をすること

が推奨されています。

ただしPEAは一般の検査会社では測定できないため、専用の検査会社(HMT株式会社様)に送り、そこで測定を行います。
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ケタミンはなぜうつ病に効くのか

2000年頃から「麻酔薬のケタミンに強力な抗うつ作用があるようだ」という報告され、
近年大きく注目されるようになってきました。
ケタミンの抗うつ効果の作用機序を解明し、ケタミンを安全にうつ病治療に利用できるようになれば、
うつ病治療を劇的に進化させてくれる可能性があります。
麻酔薬であるケタミンがうつ病に効くのはなぜでしょうか。
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うつ病の治療には「抗うつ剤」が用いられます

2000年頃から「麻酔薬のケタミンに強力な抗うつ作用があるようだ」という報告され、
近年大きく注目されるようになってきました。

ケタミンは動物麻酔に用いる薬としても向いている薬なのです。
ケタミンはNMDA受容体拮抗薬と呼ばれており、1970年より主に手術時の全身麻酔薬として発売された薬です。
商品名は「ケタラール」で静脈麻酔薬として販売されています。
静脈麻酔薬は主に手術などで全身麻酔をする際の「導入」に使われます。
ケタミンで全身麻酔の導入をし、その後は吸入麻酔薬に切り替えることもありますし、
補助的にケタミンによる静脈麻酔を続けることもあります。
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