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でもデパスを服用してから太ったんですが・・・

薬理学的に見れば、デパスで太る事はありません。

しかし「そうは言っても、デパスを飲み始めてから体重が増えているんです」という訴えを聞く事もあります。それはどう考えればいいのでしょうか。

臨床経験からすると、次のような可能性が考えられます。

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Ⅰ.精神状態が原因で太った

精神科・心療内科領域ではデパスは、不安が強かったり眠れなくて苦しんでいるような患者さんに処方されます。

このように、デパスを処方される患者さんというのは、精神的に不安定な状態にあることがほとんどです。不安定だからこそ、デパスのようなお薬が処方されるわけです。

このような状況にある方というのは、その精神状態が体重増加の一因になっている事が珍しくありません。

精神エネルギーが低下しており、意欲低下・無気力などが生じていれば活動量が減ります。活発に行動する事はできなくなりますし、横になる時間が多くなるでしょう。

例えば、うつで気力が低下して一日中寝たきり状態であれば、全然動かないためカロリー消費量が少なくなり、皮下脂肪や内臓脂肪などが増えやすくなるでしょう。

またストレスで過食行為が多くなれば、これも太る要因になりえます。

デパスを服用しているだけでなく、このような症状も認めている場合は、安易に「デパスのせいで太った」と決めつけないようしなければいけません。

このような原因で太っている場合、その対処法は当然デパスを減量・中止する事ではありません。生活習慣の改善・精神状態の改善が適正な対処法となります。

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Ⅱ.他のお薬が原因で太った

デパスを服用している時に、その他の向精神薬(精神の作用するお薬)も服用している事があります。

デパスは原則として太らないお薬ですが、向精神薬の中には体重増加の副作用が生じうるものもあります。

そのようなお薬の服用もしている場合、もしかしたらそちらのお薬が原因なのかもしれません。

例えば体重増加が生じやすい向精神薬には、

抗うつ剤
抗精神病薬

などがあります。

抗うつ剤はうつ病や不安障害の治療に用いられるお薬で、主に神経間のモノアミン(セロトニンやノルアドレナリンなどの物質)を増やす作用があります。

抗うつ剤にも様々な種類がありますが、代表的なお薬のうち体重増加が生じうるものとしては、

トリプタノール(一般名:アミトリプチリン)
トフラニール(一般名:イミプラミン)
アナフラニール(一般名:クロミプラミン)
アモキサン(一般名:アモキサピン)
リフレックス・レメロン(一般名:ミルタザピン)
パキシル(一般名:パロキセチン)
レクサプロ(一般名:エスシタロプラム)

などが挙げられます。

また抗精神病薬は統合失調症や双極性障害の治療に用いられるお薬で、主に神経間のドーパミンの分泌を抑える作用があります。

こちらも代表的なお薬のうち体重増加が生じうるものとしては、

コントミン(一般名:クロルプロマジン)
セロクエル(一般名:クエチアピン)
ジプレキサ(一般名:オランザピン)
リスパダール(一般名:リスペリドン)
ロナセン(一般名:ブロナンセリン)

などが挙げられます。

このようなお薬を併用している場合、そちらの方が原因である可能性は高いでしょう。

その場合はデパスを減量・中止するのではなく、原因となっているお薬を減量・中止できないかを検討するのが正しい対処法となります。

またここで挙げたお薬以外にも体重増加をきたすお薬はいくつもあるため、自分が服用しているお薬で太る可能性があるものはないか、主治医とよく相談してみる事が大切です。

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Ⅲ.デパスの脱抑制で過食してしまっている

デパスをはじめとしたベンゾジアゼピン系は、服用によって「脱抑制」という状態が生じる事が稀にあります。

脱抑制というのはベンゾジアゼピン系によって理性が抑えられて本能だけが残ってしまい、本能的に行動してしまう状態です。たいていの場合で衝動的・攻撃的になります。

お酒で悪酔いしてしまっている状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。アルコールも理性を抑えてしまう作用がありますので、たくさん飲むと理性が効かずに本能的な行動をしてしまいやすくなりますが、基本的にはそれと同じです。

脱抑制は高用量のベンゾジアゼピン系の投与で生じる事が多く、適正量で生じる事は少ないのですが、脱抑制が生じると衝動的に過食をしてしまう可能性もあります。更に理性が抑えられているため自分でもそれをあまり覚えていない事があり、これによって体重増加が生じる事も考えられないわけではありません。

デパスの脱抑制が原因で太ってしまっている場合は、デパスが強く効きすぎていると考えられるため、デパスの量を適正に再調整する必要があります。

グランダキシンの作用機序

グランダキシンは「ベンゾジアゼピン系」という種類のお薬になります。グランダキシンに限らず、ほとんどの抗不安薬はベンゾジアゼピン系に属します。

ベンゾジアゼピン系は、GABA受容体という部位に作用することで、先ほど説明した抗不安作用、筋弛緩作用、催眠作用、抗けいれん作用の4つの作用を発揮します。ベンゾジアゼピン系のうち、抗不安作用が特に強いものが「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」と呼ばれます。

グランダキシンは抗不安作用が強いわけではないので、正確には抗不安薬に属しておらず「自律神経調整薬」という種類になっていますが、作用機序としては基本的にベンゾジアゼピン系抗不安薬と同じです。

グランダキシンは、

弱い抗不安作用
非常に弱い筋弛緩作用
非常に弱い催眠作用
非常に弱い抗けいれん作用

を持っています。抗不安作用は多少感じられることはありますが、残り3つの作用は通常量の服薬であればほとんど自覚できない程度です。

またグランダキシンの特徴として、 自律神経のバランスを整えることで自律神経症状に効果があるということが挙げられます。中枢神経(視床下部)および末梢神経の自律神経系に作用して、交感神経(興奮の神経)と副交感神経(リラックスの神経)のバランスを改善します。

そのため、種々の自律神経症状(頭痛、動悸、腹痛、吐き気、倦怠感、発汗など)に対して改善させる作用も持ちます。

ベタマックが向いている人は?

ベタマックは良い抗うつ剤ですが、上記のような副作用の問題があるため、
現在では第一選択で使うことは少なくなっています。

現在は、安全性の高い抗うつ剤が多くなってきたため、
「ベタマックは極力うつ病には使わないように」と言う先生もいるくらいです。

副作用を考えれば、確かにその先生の意見ももっともだと思います。

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患者さんの状況にもよりますが、薬物治療は効果よりも安全性を優先すべきですので、
安全性の高い新規抗うつ剤(SSRI、SNRIやNassaなど)などを最初は試すべきでしょう。

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他の抗うつ剤と比べたベタマックの利点は

作用機序が違うこと
他の抗うつ剤に多い副作用(吐き気、便秘、眠気、離脱症状など)が少ないこと
薬価が安いこと

です。

そのため、

SSRIやSNRIでは効果が得られなかった方
SSRIやSNRIの副作用がつらい方

という場合、第二選択として使う抗うつ剤として検討するおくすりとして
いいのではないでしょうか。

ベタマックの副作用

具体的なベタマックの副作用としては、

錐体外路症状
乳汁分泌(プロラクチン上昇)、性機能障害
食欲亢進、体重増加

などがあります。

「錐体外路症状が起こり得る」
「ホルモンバランスを崩して、乳汁分泌が起こり得る」

この2点が、他の抗うつ剤には無い副作用です。

反面で、他の抗うつ剤に多く認められる、口渇・便秘、ふらつき・めまい、吐き気、眠気などは
少なめです(起こさないわけではありません)。

では、それぞれを詳しくみてみましょう。

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Ⅰ.錐体外路症状(EPS)

脳のドーパミンが過度にブロックされることで起こる身体の不随意運動です。
(不随意運動:自分の意志によらず、勝手に身体が動いてしまうこと)

指先がふるえたり、腕をクネクネと動かしたり、唇や舌をモゴモゴ動かしたり、などと
様々な症状があります。

有名な症状として、

ジスキネジア:口や舌などをモゴモゴと動かす
アカシジア:ソワソワ、ムズムズと落ち着かず、じっとしていられなくなる

などがあります。

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これらの錐体外路症状が出現してしまったら、
ベタマックを減量あるいは中止することが無難でしょう。

引き続き抗うつ剤加療が必要なのであれば、別の抗うつ剤を検討してください。

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抗コリン薬(アキネトン、アーテンなど)という、錐体外路症状を和らげるおくすりもありますが、
抗コリン薬は抗コリン薬で副作用があり、漫然と続けない方がいいおくすりです。

おくすりの副作用をおくすりで抑えるのも不自然ですし、
よほどベタマックを使わないといけない状況でない限りはお勧めできません。

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Ⅱ.乳汁分泌

ベタマックが、プロラクチンという乳汁を出すホルモンを増やしてしまうために
起こる副作用です。
これのベタマックが脳の下垂体という部位のドーパミンを遮断してしまうために起こります。

男女ともに起こりえます。
突然胸から乳汁が出るため、驚く方も多いようです。

ただ、胸から乳汁が出るだけならまだいいのですが、これはホルモンバランスの崩れが原因ですから、
無月経や性機能障害の原因にもなり得ます。

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乳汁分泌が起きた場合は、まずはプロラクチンの上昇が原因なのかを採血で確認します。
採血でプロラクチン値を測定し、高ければベタマックによる高プロラクチン血症が疑われます。

対応策は、やはりまずはベタマックを減薬あるいは中止し、
別の抗うつ剤に切り替えることです。

ドーパミンアゴニスト(ドーパミン受容体刺激薬)と呼ばれるおくすりを使うと、
プロラクチンの値を下げることは可能ですが、これも滅多に併用することはありません。

別のおくすりを併用してまで、ベタマックを継続する価値があるのか、
主治医とよく相談して下さい。

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Ⅲ.食欲亢進、体重増加

重篤な副作用ではないものの、ベタマックで一番頻度の多い副作用です。

ベタマックは当初は「胃薬」として発売されたおくすりです。
最初は胃薬として使われていましたが、次第に精神にも作用があることが分かったおくすりなのです。

胃腸のドーパミン受容体をブロックすることで消化管の動きをよくするのが
胃薬としての作用機序だと考えられています。

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胃腸の動きを良くするため、食欲が上がります。
そして食べる量が増えれば、体重も増えてしまいます。

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食欲亢進に対する対処法としては、まずは「食べるのを我慢する」意識が大切です。

これはおくすりの副作用で食欲が人工的に上がっているんだ。
だから、ここで欲求のままに食べてしまうことは非生理的であまりよくないことなんだ、
と考え、なるべく我慢するようにしてください。

また当たり前の対策なんですが、適度な運動も体重増加を抑えるには有効です。

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それでも抑えられない時は、他の抗うつ剤への変薬になります。
ほとんどの抗うつ剤で体重増加の可能性はあるのですが、ベタマックの体重増加と
その他の抗うつ剤の体重増加はその機序が違います。

ベタマックは主に消化管運動が良くなって食欲が上がります。
それに対して他の抗うつ剤は、主に抗ヒスタミン作用というもので食欲が上がります。

機序が違うため、抗うつ剤を別のものに変えれば、食欲亢進の程度が
改善する可能性はあります。

ただし、もちろん悪化してしまう可能性もありえますので、
抗ヒスタミン作用が弱いものを選択するとよいでしょう。

具体的に言うと、ジェイゾロフトやサインバルタあたりでしょうか。

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Ⅳ.その他の副作用

その他の副作用も報告はたくさんありますが、頻度はそこまで多くはありません。

特に、

眠気
口渇、便秘
ふらつき、めまい
吐き気

などは、SSRIやSNRI、三環系などの他の抗うつ剤に見られる副作用ですが、
ベタマックではあまり認めません。

ベタマックの特徴

このようにベタマックは、

胃薬
統合失調症治療薬
抗うつ剤

という3つの働きをする、ユニークなおくすりです。

しかし、上に書いたように現在は徐々に処方頻度が減ってきています。
「色々な疾患に使える」ということは、裏を返せば「どれにも中途半端」ともいえるからです。

現在は統合失調症、うつ病、胃腸疾患それぞれに対して、
優れて安全なおくすりが次々と発売されています。

ベタマックより安全性に優れるものも多いため
ベタマックの出番が徐々に減ってきているというのが現状です。

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現在、統合失調症の治療薬として使うことはあまりありません。
胃薬としても使うことも多くはなく、抗うつ剤として使われることが多いようです。
(抗うつ剤としても、最近は使われる頻度は減っていますが・・・)

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ベタマックの抗うつ剤としての特徴は、ざっくり言うと次のようなものです。

即効性がある。
他の抗うつ剤に見られる副作用が少ない
しかし時に重篤な副作用が出る

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抗うつ効果としては強くなく、軽症から中等症のうつ病が適応になります。

ベタマックは、他の抗うつ剤で見られる副作用が少ないのが大きなメリットです。
具体的には、吐き気、眠気、離脱症状、口渇、便秘などです。
現在主流のSSRIやSNRIはこれらの副作用が問題となることがよくあります。

ベタマックは胃薬でもあるくらいですから、吐き気はまず生じません。
また離脱症状もほとんど起こさず、眠くなることもほとんどありません。

このようにベタマックは非常に使い勝手のよい抗うつ剤であり、
実際SSRIやSNRIが発売される以前はうつ病の主力選手でした。

しかし、他の抗うつ剤に認めないような副作用があるため(錐体外路症状など)、
安全な抗うつ剤が増えた現代においては、うつ病治療の第一選択ではなくなっています。

ベタマックには様々な作用がある

ベタマック錠は沢井製薬より発売されているおくすりです。

このおくすりは非常にユニークなはたらきをします。

発売当初は胃薬として発売されましたが、次第に「うつ病に効果がある」「統合失調症にも効果がある」ということが分かってきたおくすりなのです。

そのユニークな特徴から、様々な場面で使うことがありますが、1979年発売の古いおくすりであるため副作用には注意しなければいけません。

ここでは、ベタマックの効果や特徴、副作用などについて説明していきます。

なおベタマックは、アステラス社が発売している「ドグマチール」と同じ成分のおくすりです。

ベタマックには様々な効果がありますが、
その基本的な働きは「ドーパミンを遮断すること」です。

ベタマックは胃腸薬、統合失調症治療薬、抗うつ薬としての顔を持ちますが、
これらはすべて、抗ドーパミン作用によるものです。

では、それぞれのはたらきを詳しくみてみましょう。

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胃薬としてのベタマック

ベタマックは、胃などの消化管に存在するD2受容体(Dとはドーパミンのこと)をブロックします。
これによって、消化管運動が改善すると考えられています。

しかし、その作用は強くなく、今は優れた胃薬がたくさん発売されてますから、
ベタマックを胃潰瘍に使うことは少なくなってきています。

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他の胃薬との違いとしては、抗うつ効果もあるため、
心因性の要素も疑われる胃腸症状には適しています。

「胃腸症状を訴えるけど、胃カメラなどの検査をしても何の異常もない」
という場合などですね。

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抗精神病薬としてのベタマック

抗精神病薬というのは「統合失調症の治療薬」のことです。

統合失調症は脳内ドーパミンが出過ぎていることが一因と考えられています。
そのため、ほとんどの抗精神病薬はドーパミンをブロックするはたらきがあります。

ベタマックも脳のD(ドーパミン)2受容体をブロックすることで統合失調症に効果を示します。

ただしベタマックの脳へのD2受容体遮断作用は弱いため、
統合失調症の治療に使う場合は高用量が必要です。
(添付文書的には300-600mg。最高1200mgまで)

しかし高用量を使うと副作用が出てしまうことも多いため、
優れた抗精神病薬が多くなってきた現在においては
統合失調症の治療にベタマックを使う機会は少ないのが現状です。

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抗うつ薬としてのベタマック

ベタマックがうつ病に効くのはなぜでしょうか。
実はこれは正確には分かっていません。

そもそもうつ病に効果があるためには、ドーパミンを増やさないといけないはずです。
抗うつ剤は全て、ドーパミンなどのモノアミンを増やすことで抗うつ効果を発揮します。
モノアミンを減らす抗うつ剤などありません。

理論的には、ベタマックはドーパミン受容体を遮断するため、
脳内のドーパミンを減らす方向に働くはずです。
しかし現実として、少量のベタマックを投与すると抗うつ効果があるのです。

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いくつかの仮説があり、それを紹介すると、

・少量のベタマックを投与するとドーパミン自己受容体を遮断し、
それが結果的にドーパミンの分泌を増やすのではないか

・ノルアドレナリン神経にあるD2受容体を遮断することで、
ノルアドレナリンを増やすのではないか

・エビリファイなどと同じく、ドーパミンの部分作動薬としての働きがあり、
そのために少量のベタマックを投与するとドーパミンが増えるのではないか

などと言われています。

正確には解明されていませんが、少量のベタマックを投与すると
抗うつ効果があることは間違いなく、しばしばうつ病治療に使われています。

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以上からベタマックは、

少量(150-300mg)投与すると、うつ病に効果がある
大量(300-600mg)投与すると、統合失調症に効果がある

という、ちょっと不思議な使い方をするおくすりになっています。

ミラドールが向いている人は?

ラドールは良い抗うつ剤ですが、上記のような副作用の問題があるため、
現在では第一選択で使うことは少なくなっています。

患者さんの状況にもよりますが、薬物治療は効果よりも安全性を優先すべきですので、
安全性の高い新規抗うつ剤(SSRI、SNRIやNassaなど)などを最初は試すべきでしょう。

?

他の抗うつ剤と比べたミラドールの利点は

作用機序が違うこと
他の抗うつ剤に多い副作用(吐き気、便秘、眠気、離脱症状など)が少ないこと
薬価が安いこと

です。

そのため、

SSRIやSNRIでは効果が得られなかった方
SSRIやSNRIの副作用がつらい方

という場合、第二選択として使う抗うつ剤として検討するおくすりとして
いいのではないでしょうか。

ミラドールの副作用

このようにミラドールは、

胃薬
統合失調症治療薬
抗うつ剤

という3つの働きをする、ユニークなおくすりです。

しかし、上に書いたように現在は統合失調症の治療薬として使うことはほとんどありません。
胃薬としても使うことも多くはなく、抗うつ剤として使われることが一番多いと思われます。

しかし抗うつ剤ですらも、最近は優れた安全性の高い抗うつ剤が次々と発売されているため、
全体的にミラドールの出番は少なくなっています。

「色々効く、マルチなおくすり」と言えば聞こえは良いですが、
これは裏を返せば「どれにも中途半端」という一面もあるからです。

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ミラドールの抗うつ剤としての特徴は、ざっくり言うと次のようなものです。

即効性がある。
他の抗うつ剤に見られる副作用が少ない
しかし時に重篤な副作用が出る

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抗うつ効果としては強くはなく、軽症から中等症のうつ病が適応になります。

しかし、他の抗うつ剤で見られる副作用が少ないのは、大きなメリットです。
これは具体的には、吐き気、眠気、離脱症状、口渇、便秘などです。

現在主流のSSRIやSNRIはこれらの副作用が問題となることがよくありますが、
ミラドールは胃薬でもあるくらいですから、吐き気はまず生じません。
また離脱症状もほとんど起こさず、眠くなることもほとんどありません。

このようにミラドールは非常に使い勝手のよい抗うつ剤であり、
実際SSRIやSNRIが発売される以前はうつ病の主力選手でした。

ミラドールの特徴

このようにミラドールは、

胃薬
統合失調症治療薬
抗うつ剤

という3つの働きをする、ユニークなおくすりです。

しかし、上に書いたように現在は統合失調症の治療薬として使うことはほとんどありません。
胃薬としても使うことも多くはなく、抗うつ剤として使われることが一番多いと思われます。

しかし抗うつ剤ですらも、最近は優れた安全性の高い抗うつ剤が次々と発売されているため、
全体的にミラドールの出番は少なくなっています。

「色々効く、マルチなおくすり」と言えば聞こえは良いですが、
これは裏を返せば「どれにも中途半端」という一面もあるからです。

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ミラドールの抗うつ剤としての特徴は、ざっくり言うと次のようなものです。

即効性がある。
他の抗うつ剤に見られる副作用が少ない
しかし時に重篤な副作用が出る

?

抗うつ効果としては強くはなく、軽症から中等症のうつ病が適応になります。

しかし、他の抗うつ剤で見られる副作用が少ないのは、大きなメリットです。
これは具体的には、吐き気、眠気、離脱症状、口渇、便秘などです。

現在主流のSSRIやSNRIはこれらの副作用が問題となることがよくありますが、
ミラドールは胃薬でもあるくらいですから、吐き気はまず生じません。
また離脱症状もほとんど起こさず、眠くなることもほとんどありません。

このようにミラドールは非常に使い勝手のよい抗うつ剤であり、
実際SSRIやSNRIが発売される以前はうつ病の主力選手でした。

ミラドールは色々な働きをする

ミラドールはバイエル薬品より発売されているおくすりです。このおくすりはユニークなはたらきをします。

発売当初は胃薬として発売されました。しかし、次第に「うつ病に効果がある」「統合失調症にも効果がある」ということが分かり、今では様々な用途で使われているおくすりなのです。

そのユニークな特徴から、古いおくすりでありながらも未だ使われることがあります。

しかし、その副作用には気を付けるべきで、「色々効くから」という安易な理由で使うべきではありません。

ここでは、ミラドールの効果や特徴、副作用などについて説明していきます。

なおミラドールは、アステラス社が発売している「ドグマチール」と同じ成分のおくすりです。

ミラドールには様々な効果がありますが、その基本的な働きは「ドーパミンを遮断すること」です。
この抗ドーパミン作用によって、胃腸薬、統合失調症薬、抗うつ薬としての効果を発揮します。

それぞれを詳しくみてみましょう。

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胃薬としてのミラドール

胃などの消化管にあるD2受容体(Dとはドーパミンのこと)をブロックすることで、
消化管運動が改善すると考えられています。

その作用は強くはなく、現在では優れた胃薬がたくさん発売されているため
ミラドールを本格的な胃潰瘍に使うことはあまりありません。

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気分安定作用もあるため、心因性の要素も疑われる胃腸症状には向いています。

「胃腸症状を訴えるけど、胃カメラなどの検査をしても何の異常もない」
という場合などですね。

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抗精神病薬としてのミラドール

抗精神病薬というのは「統合失調症の治療薬」のことです。

統合失調症は脳のドーパミンが出過ぎていることが一因と考えられています。
そのため、ほとんどの抗精神病薬はドーパミンをブロックするはたらきがあります。

ミラドールも脳のD(ドーパミン)2受容体をブロックすることで統合失調症に効果を示します。

ただしミラドールの脳へのD2受容体遮断作用は弱いため、
統合失調症の治療に使う場合は高用量が必要です。
(添付文書的には300-600mg。最高1200mgまで)

しかし高用量のミラドールは副作用が出てしまうことも多く、
優れた抗精神病薬が多くなってきた現在においては
統合失調症の治療にミラドールを使う機会は少ないのが現状です。

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抗うつ薬としてのミラドール

ミラドールがうつ病に効くのはなぜでしょうか。
実はこれは正確には分かっていません。

そもそもうつ病に効果があるためには、ドーパミンを増やさないといけないはずです。
抗うつ剤は全て、ドーパミンなどのモノアミンを増やすことで抗うつ効果を発揮します。
モノアミンを減らす抗うつ剤などありません。

理論的には、ミラドールはドーパミン受容体を遮断するため、
脳内のドーパミンを減らす方向に働くはずです。
しかし現実として、少量のミラドールを投与すると抗うつ効果があるのです。

?

いくつかの仮説があり、それを紹介すると、

・少量のミラドールを投与するとドーパミン自己受容体を遮断し、
それが結果的にドーパミンの分泌を増やすのではないか

・ノルアドレナリン神経にあるD2受容体を遮断することで、
結果的にノルアドレナリンを増やすのではないか

・エビリファイなどと同じく、ドーパミンの部分作動薬としての働きがあり、
そのために少量のミラドールを投与するとドーパミンが増えるのではないか

などと言われています。

正確には解明されていませんが、少量のミラドールを投与すると
抗うつ効果があることは間違いなく、しばしばうつ病治療に使われています。

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以上からミラドールは、

少量(150-300mg)投与すると、うつ病に効果がある
大量(300-600mg)投与すると、統合失調症に効果がある

という、不思議な作用をもつおくすりということになっています。

一般名:スルピリドとは?

ジェネリック薬が「一般名+会社名」という名称になったため、
一般名を目にする機会が増えてきました。

ちなみに一般名というのは、その薬物の国際的な名称のことです。

優れたお薬は、日本だけでなく全世界で使われています。
となると全世界で共通の薬物の名称が必要になります。
それが一般名なのです。

つまり、スルピリド(Sulpiride)と言えば海外の医師にも通じますし、
論文や専門誌など多くの国の医師が見る可能性のあるものにはすべて「Sulpiride」と書かれています。

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対して「ドグマチール」というのは商品名で、発売しているアステラス社が
販売する際に独自につけたスルピリドの名称です。

なぜ「ドグマチール」という名前をつけたのかは分かりません。
「ドグマ」が「教義・教理」という意味ですが、これは関係しているのかもしれません。

スルピリドの薬価

ドグマチール錠(正規品)    100mg    19.00円
ドグマチール錠(正規品)    200mg    26.80円

スルピリド錠(ジェネリック)   100mg   6.3~6.5円
スルピリド錠(ジェネリック)   200mg   6.5~7.9円

ドグマチールは元々が非常に安いおくすりです。

うつ病では150-300mg(最大600mgまで可)
統合失調症では300-600mg(最大1200mgまで可)
胃潰瘍では150mg
が一日量です。

SSRIやSNRIなどの抗うつ剤と比べるとかなり安価です。
SSRIは最大量で使うと一日400円近くですが、ドグマチールは300mgで50-60円です。

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ジェネリックのスルピリドになると、これがさらに安くなります。

ちなみにジェネリックの薬価は各製薬会社によってバラツキがありますが、効果はどれも変わりません。

スルピリドの副作用 食欲亢進、体重増加

重篤な副作用ではないものの、スルピリドで一番頻度の多い副作用です。

スルピリドは最初は「胃薬」として発売されたおくすりです。
胃薬として使われているうちに、精神にも作用があることが分かったおくすりなのです。

胃腸の動きを良くするため、食欲が上がります。
そして食べる量が増えれば、体重も増えてしまいます。

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食欲亢進に対する対処法としては、まずは「食べるのを我慢する」意識が大切です。

これはおくすりの副作用で食欲が人工的に上がっているんだ。
だから、ここで欲求のままに食べてしまうことは非生理的であまりよくないことなんだ、
と考え、なるべく我慢するようにしてください。

また当たり前の対策なんですが、適度な運動も体重増加を抑えるには有効です。

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それでも抑えられない時は、他の抗うつ剤への変薬になります。
ほとんどの抗うつ剤で体重増加の可能性はあるのですが、スルピリドの体重増加と
その他の抗うつ剤の体重増加はその機序が違います。

スルピリドは消化管運動が良くなって食欲が上がります。
他の抗うつ剤は、抗ヒスタミン作用というもので食欲が上がります。

機序が違うため、抗うつ剤を別のものに変えれば、食欲亢進の程度が
改善する可能性はあります。

ただし、もちろん悪化してしまう可能性もありえますので、
比較的抗ヒスタミン作用が弱いものを選択するとよいでしょう。

具体的に言うと、ジェイゾロフトやサインバルタあたりでしょうか。

スルピリドの副作用 乳汁分泌

スルピリドが、プロラクチンという乳汁を出すホルモンを増やしてしまうために
起こる副作用です。

男女ともに起こりえます。
突然胸から乳汁が出るため、驚く方も多いようです。

ただ、胸から乳汁が出るだけならまだいいのですが、これはホルモンバランスの崩れが原因ですから、
これは無月経や性機能障害の原因にもなり得ます。

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乳汁分泌が起きた場合は、まずはプロラクチンの上昇が原因なのかを採血で確認します。
採血でプロラクチン値を測定し、高ければスルピリドによる高プロラクチン血症が疑われます。

対応策は、やはりまずはスルピリドを減薬あるいは中止し、
別の抗うつ剤に切り替えることです。

ドーパミンアゴニスト(ドーパミン受容体刺激薬)と呼ばれるおくすりを使うと、
プロラクチンの値を下げることは可能ですが、これも滅多に併用することはありません。

スルピリドの副作用 錐体外路症状(EPS)

脳のドーパミンが過度にブロックされることで起こる身体の不随意運動です。
(不随意運動:自分の意志によらず、勝手に身体が動いてしまうこと)

指先がふるえたり、腕をクネクネと動かしたり、唇や舌をモゴモゴ動かしたり、などと
様々な症状があります。

有名な症状として、

ジスキネジア:口や舌などをモゴモゴと動かす
アカシジア:ソワソワ、ムズムズと落ち着かず、じっとしていられなくなる

などがあります。

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これらの錐体外路症状が出現してしまったら、
スルピリドを減量あるいは中止することが無難でしょう。

引き続き抗うつ剤加療が必要なのであれば、別の抗うつ剤を検討してください。

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抗コリン薬(アキネトン、アーテンなど)という、錐体外路症状を和らげるおくすりもありますが、
抗コリン薬は抗コリン薬で副作用があり、漫然と続けない方がいいおくすりです。

おくすりの副作用をおくすりで抑えるのも不自然ですし、
よほどスルピリドを使わないといけない状況でない限りはお勧めできません。